SUBERANAI BLOG すべらないブログ

プール底の滑り止め・・・

          積年の思いに終止符を・・・その4

 3ヶ月後に再施工をお願いしたものの何故反応しなかったのか原因が掴めません。現場で敷設されていたタイルはドイツ製の公認プール仕様のセラミックタイルです。数日後、メーカーを調べ10枚サンプルを調達し、改めて溶剤を塗ってみるとちゃんと効果がでました。浴槽に沈めて確認もしました。しっかり歩けるレベルに仕上がっています。・・・怒るでぇホンマ、なんで効くねん。情けなくなりましたよ。(u_u。)

 考えられる事は、プール開設後の10年間でプール底のタイルに何らかの変化が起きているって事です。・・・『真実は現場にあり』って言いますが、年に1回清掃の為に水を抜く以外、常に水の下にある訳ですから現場のタイルをチェックする事は出来ません。さてさてどうしたものかホンマに困まりました。

 施工失敗から2ヶ月も過ぎた頃です。まだ対策が見つからず思案にくれていたある日の事、仲間内から面白い話が入ってきました。・・・『タイルメーカーS社のタイルなんだけど溶剤を何回塗っても滑り止めの効果が出ない。何か良い方法がないものか?』・・・『プール底のタイルじゃあるまいし、問題なく効くわナ』・・・私がそんな事を言うもんで、それなら試しにやってくれとばかりに仲間が早速そのタイルを私の所へ持ち込んできました。

 普通の磁器タイルにしか見えないそのタイルなんですが、叩き合わせてみると金属音に近い音がします。ともあれ手速に溶剤を塗ってみると、仲間の言う通り全く効果がありません。そうなると当然2回3回と塗り重ねていったんですが、何の変化もありません。・・・たかだかタイルの世界で、(関係各位様お許しを・・)自分の知らないモノがこれ程あるのか・・・思い知らされて愕然としましたね。

 暫くの間ただ呆然とそのタイルを眺めながら思いました。『このタイルの滑りを止められたら・・・もしかしてもしかするかも・・・』・・・そうなると早速S社に連絡しサンプルタイル10枚手に入れ、ついでに駄目もとで、S社に2~3質問してみましたが(焼き温度、粘土、釉薬等)一切答えてはくれませんでした。・・・もうこうなったら諦める訳にはいきません。・・幸い私は唐津焼や有田焼で有名な唐津市の出身で、其々の分野で陶芸作家としてそこそこ名を知られている旧友が何人かおりましてね。彼等に白羽の矢を立てる事にしました。

 20年ぶりの珍客の強引なまでの質問攻めにも拘らず、彼等は気持ちよく多くの事を教えてくれました。やはりそこには大きなヒントがありまして、ようやく原因が何であるのか突き止める事が出来ました。粘土に混ぜ合わせるある物質の量と、その物質をタイルに馴染ませる為の特殊な焼成方法に問題があったのです。

 ようやく糸口が見つかりました。糸口が分かれば次はどうすれば反応(効果が発生)するのか・・・こうなったら溶剤を自分で作るしか道は無い。ど素人に近い私ではありますが、会社を潰す訳にはいきません故に覚悟を決めました。・・・日々、朝から晩まで試行錯誤の繰り返し。・・・おおよそ1週間ほど続いたと思います。(こんな馬鹿は他にはおらんでしょうが・・)ようやくその施工手法とピッタシの溶剤配合にたどり着き、S社のタイルにバチバチの効果をもたらす事に成功しました。

 取り敢えず再施工の第1の関門を突破。机上のテストでは成功したものの現場で上手くいくとは限りませんが、後は運を天に委ねる事にして、次は施設の社長に幾つかの重要なお願いを聞き入れていただくテーマが控えています。全ての了解が得られないと再施工に赤信号が灯る事になるのです。

次回へ 

  

 

 

この記事を書いた人

内藤 憲道

内藤 憲道

多種多様の床材や状態に合わせて滑り止め溶剤を調剤し、美観をまったく損なわずに滑り止め効果をつくる防滑のエキスパート。溶剤系滑り止めでは、業界の第一人者。全国で活躍する防滑業者の多くは、内藤の理論がベースになっているとかいないとか。メンテナンス業界では防滑に限らず床材のドクター(研究者)として知られ、大手ゼネコン、タイルメーカーはもちろん、同業者から現場相談を受けるなど、(一部では)圧倒的な信頼を得ている。

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