SUBERANAI BLOG すべらないブログ

再施工は必要なのか???

     再施工の必要性を考える?・・・その4(磨き御影石

 建築物はその業種形態とコンセプトの関係上、床材の選定は変化します。例えば前回ご紹介したセラミックタイルは最近スーパー等商業施設に多用されていますし、磁器タイル系は個人宅、マンションをはじめあらゆる建築物に用いられるポピュラーな床材です。

 磨きの大理石や御影石(花崗岩)も個人宅やマンション等に部分的に用いられる事は結構多いのですが、全面を磨きの・・・って事になると大規模なホテル関係かそこそこ高級感をテーマにした建物が多いようです。(例外ももちろんありますけど・・・)

 平成11年に磨きのインペリアルレッド(通称赤御影)の光沢維持に成功して以来、インパラブラック・山西黒・ベルファースト(通称黒御影)をはじめ多くの磨きの花崗岩の防滑に携わってきました。・・・防滑施工後2年以内に〃滑り出したから何とかしてくれ〃と苦情らしき事を言われた現場は〃無い〃と言いたいところですが白状すると1件ありました。

 施工後2ヶ月くらい経過した頃でした。現場は大阪天王寺にある某ショッピングモールです。床材は磨きの錆び石でした。・・・〃やっぱり言うてきたか〃・・・実は施工当日、他の箇所をメンテナンス業者さんが作業してましてね。興味本位でその作業風景を見ていたんですよ。よく訓練されているのでしょう。手際よく済々と作業は流れていきます。広い現場ですから自走式のポリッシャーも走り回っています。〃大手の業者さんは使う道具も違えば作業員の頭数も違うなぁ〃・・・ナンテ感心しながら見ていましたが、フトある事に気が付きました。何かが違う?

 恥かしながら元々へなちょこ銀行マンであった私ですから自走式のポリッシャーの機能なんて知る由もありません。それでも違和感を感じた私は作業中の業者さんに尋ねてみました。・・・〃洗剤は?水は?どこから出てどこから吸い取ってるんですか?〃・・・業者さんの回答は・・・〃前から洗剤が出て次にポリッシャー最後にバキューム〃・・・実に明快な返事が返ってきました。・・・〃どうもおおきに〃・・・と大声でお礼を言いつつ、・・・それじゃぁ洗剤が残留するではあ~りませんか・・・胸きゅんどころか胸ドッキーン。・・・作業をマニュアル化してしまうと人はマニュアルのみを信じて疑わない傾向があるんですかね。〃今回はチクっとヤバイかもしれんナ〃・・・流れゆくメンテ作業を眺めながら私は早い時期に滑り出す事を懸念しました。

 懸念した事がたったの2ヶ月で現実となりました。ゼネコンさんから連絡をいただき現場へ即行しましたよ。・・・ンで・・・手直しの為に持参したのが・・・水とハンドブラシとタオルの3点セットなり~・・・です。施設責任者とゼネコンさんが怪訝な顔をする中、滑り出した錆び石に水をかけハンドブラシでゴシゴシ擦ってみると錆び石がドンドン泡だってきました。施設責任者が・・〃今使っているのは何ですか〃・・って聞くから・・〃H2Oつまり水ですよ。〃と答えたもんだから更に顔が怪訝となりましたね。・・〃水が泡立つ訳ないじゃんか〃・・と言われるから・・〃そりゃそうですよ〃施設責任者は私が溶剤系の何かを使って手直ししている様に思ったんでしょうね。だから彼等の面前で飲んでやりました。・・・出てきた泡をさっと流しゼネコンさんと施設責任者に錆び石の滑り具合を確認してもらいました。・・・〃アレッ滑らへん〃

 あの泡が錆び石から出て来た事と3回に1回水だけで洗浄する事等彼等に提案しその場を後にしました。

 それから8年後、このショッピングモールの出入り業者であり弊社の協力会社でもあるK社が再施工の見積もりを出したので弊社に施工してほしい旨依頼してきました。余りにも懐かしいし、その後どうなっているのか一度見てみたい気持ちもあってK社を伴いショッピングモールを訪れました。〃当然もう滑ってるだろうな〃そう思い一部の錆び石に水を打ち乗ってみると・・・滑りを感じません。見積もりも出したって言うのにどうなってるの?・・・しばらくすると施設責任者が見えられてエスカレーターの昇降口へ案内してくれました。・・・〃ここらが滑りますネン〃・・・チェックしてみると確かに滑ります。・・・この昇降口も8年前に施工した箇所ですが、私は当時施工したその他の場所も確認してみる事にしました。

 全てをチェックし終えて複雑な気持ちになりました。滑っているのはあのエスカレーターの昇降口の一部分だけだったのです。メーカーとしては協力会社に仕事をさせたいけれど、開発者としては自分の持論の実証となる現場なのです。・・・結局はK社と話し合い、昇降口の一部分を持参していたデモキットを使いチョイと手直しして・・・ハイそれまでとなりました。

 K社には申し訳ない結果となりましたが、その日の私はとても機嫌がよかったそうです。ただ感謝すべき人がいます。あの8年前の施設責任者です。彼は私の提案を忠実に実行し、そしてその流れをしっかり定着させてくれたのです。

ご参考G603(白御影石)磨き施工後写真

 002_2006                            

この記事を書いた人

内藤 憲道

内藤 憲道

多種多様の床材や状態に合わせて滑り止め溶剤を調剤し、美観をまったく損なわずに滑り止め効果をつくる防滑のエキスパート。溶剤系滑り止めでは、業界の第一人者。全国で活躍する防滑業者の多くは、内藤の理論がベースになっているとかいないとか。メンテナンス業界では防滑に限らず床材のドクター(研究者)として知られ、大手ゼネコン、タイルメーカーはもちろん、同業者から現場相談を受けるなど、(一部では)圧倒的な信頼を得ている。

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