SUBERANAI BLOG すべらないブログ

精肉加工工場からのSOS!! その3

           選択するのは現場サイド!!

 緊急であっても取って付けた様な対策では安全の確保は出来ません。何を提案するにしてもまず重要な事は、現場環境を十分に検視する事。そして現場の声が反映されたものでなければなりません。

 現場に赴き調査と聞き込み?を実施しました。写真撮影は厳禁と言われ目視とヒヤリングに終始、現調を終えましたが、〃何回も滑った人が多い〃現状に驚きとある意味〃納得〃を覚え工場を後にしました。

 前回までに記しましたが、精肉加工工場の現場は常に動物性油脂が定着します。動物性油脂は固まる性質があるので、毛細管現象をメカニズムとする溶剤系では対応出来ません。となればエポキシ系、ロジン系、長尺シート系となりますが、現場環境、季節、作業性、そして数年後の補修に関わる事まで配慮したものでなければなりません。そこで其々について私の拙い見解を少し記してみたいと思います。

 エポキシ系・・・最近は速乾性、弾力性能を発揮する素材も開発されている様ですがあまり期待出来ません。骨材との兼ね合い、乾きにくい、特に冬場は乾きにくく数日間の養生を要する事、また材料の作り置きが出来ない事、そして何より当工場内での作業となれば、臭気対策(シンナー臭対策)が必然となる事、数年後の補修がかなり難しくなる事など考えると今回の選択肢としてはかなり厳しいかも・・・。

 ロジン系・・・ロジンの主成分は松脂です。一般的には骨材が練りこまれているシート状で販売されています。基本作業は必要な箇所に必要量切り取り、バーナーで焼着します。季節に左右される事はなく、作業性もよい。鉄板や階段の段鼻(駅の階段)などにスポット的に利用されるケースが多い。凹凸と弾性があり耐用年数も長い・・・しかしながら300平米ともなると話は別問題となる。現場環境が求めているのは300平米全てに対応可能な素材。ロジンでも不可能ではないが時間とコストが掛かりすぎる。これも厳しいか・・・。

 長尺シート系・・・最近は素材も豊富に揃っています。実は私事ですが、10年ほど前から室内外に関わらず必要に応じて使ってきた経緯があります。タキロン、ABC商会など結構使える素材を揃えてくれていまして随分助かっています。しかしながら今回のテーマには動物性油脂が絡んでいますので過去の経験は何の役にも立ちません。まずは各社の最新素材のサンプルをテスティングし、その上で判断する事にしました。

 滑り止めを正確に表現するのは困難を極めます。官能的(感覚的)な部分が支配する世界でもありますから、数字的なものは感覚の表現を示すにおいてこれほど不適格なものはないのです。目安としての位置付けに留めおくものであるから、判断が難しいのです。年の始めこんな判断の難しい提案を緊急に求められて・・・もっと楽なテーマを持ち込んでくれよナぁ・・・とボヤキながらも清々と作業を進めていきました。

 サンプルの其々にラードを塗り分けては防滑性のチェックを繰り返し、テストしてみました。長尺シートはエポキシ系、ロジン系と比較すると防滑のレベルは低下するがスリップを発生させるまでには至らないと感じた。(思えた。)気候と作業性、イニシャルコスト等を思慮すれば、やはり長尺シートを選択するのがベターかも知れません。

 以上、上記に記した内容を盛り込んで提案書を提出する事になりましたが、どれを選択するかを判断されるのは精肉加工工場です。写真撮影ですら出来ない現場です。各々のデモ施工で確認を取る訳にもいかず、それでもって緊急を口にする方々です。我々って言うか、滑り対策がもっとポピュラーになれば状況は変わるんでしょうがね。昨今、滑り転倒を含め安全安心をテーマにした法令はかなり厳しいものとなってきましたが、不景気も手伝ってか・・・まだまだ道は大きく開けませんナぁ

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この記事を書いた人

内藤 憲道

内藤 憲道

多種多様の床材や状態に合わせて滑り止め溶剤を調剤し、美観をまったく損なわずに滑り止め効果をつくる防滑のエキスパート。溶剤系滑り止めでは、業界の第一人者。全国で活躍する防滑業者の多くは、内藤の理論がベースになっているとかいないとか。メンテナンス業界では防滑に限らず床材のドクター(研究者)として知られ、大手ゼネコン、タイルメーカーはもちろん、同業者から現場相談を受けるなど、(一部では)圧倒的な信頼を得ている。

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