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【理解とサポート編】防滑市場の育成に半生をかけて

好きこそものの例えなり。年齢を重ねるに連れ、どんどん深みに入ってしまいました。

知らぬ間にたくさん出来たノウハウ入りの引き出しですが、これを長年蓄積した私の財産として鍵を掛けて守るか、システムを形成し特許で抑えるか、私の取巻きに何やかやとアドバイスを頂戴したことも多々ありました。

でもね、元々私が考案したものではないのですから、まったくそんな気は毛頭ありません。私は、1つのものを必要に駆られ、掘り下げ、発展的に肉付けしたに過ぎません。私以上の感性をもった人が、世間にどれだけ存在するか計り知れませんし、ドンドン私を飛び越えていってほしいものです。(本音ですよ〜)。

・・・そしてこの業界が、いい意味で賑やかしくなり、次世代に受け継がれていくことが、ある意味私が望むべき”報酬”となるんでしょうね。

料理人の世界と同じですよ。より美味しい物、より見た目の良い物、そして、より早く作るための段取りを考える。そして食するお客様の感動が努力の評価となるんですね。

新米の職人さんは、範とする親方の一挙一足を全身で感じ覚えていく。その感覚にズレを感じなくなった時、プロ(ほんまもん)となり、そしてまたその流れの中、受け継がれていくものです。

未熟者の蔓延の原因

知見の無い包丁持っただけの料理人が、蔓延ってしまった原因は、少なからず私にもあります。平成14年、たった1年程度の現場経験をもって、不肖の弟子が私の元を飛び出し、全国的な展開で代理店ビジネスを始めた事が火をつける結果となりました。

美味しいと分かれば同じ事をやろうと群がって来るのは世の常。関西に溶剤メーカーと称し、代理店ビジネスを主に展開する皆さんが一気に増えたのは周知の通り。最近、関東で賑やかに展開している会社もありますけど、更にドブ板を踏み外している感がありますね。

最悪なのは「中性・有機物が安全だ」と言い切っているところですね。

ましては・・・まぁ、とにかく私の知る限り、滑り止めに関して、フッ化物は酸性物質にしか反応しないし、NETISの審査証明見ても中性と認めた溶剤がPH5レベルを示しているわで・・・。勘違いしないでくださいね。参加されている業者さんを誹謗中傷している訳ではありません。カリスマ的存在で教えている方々に、もっと滑り止めが求める多くの基本を勉強してほしいと願っているだけですよ。

防滑の本当の理解者が増えるという期待をもって

今月に入り、東京から久々に弟子入り志願者が来ました。まだクーラーも入ってない事務所で、扇風機を回しての対面です。貧乏会社ゆえ申し訳ない気持ちで迎えたんですが、そんなこと一切気にせず熱心に私の拙い話に聞き入ってくれました。

彼等は東京で石材を取り扱っている業者さんで、以前から弊社の事を知っていたとの事。単細胞の私は、それだけで何やら嬉しかったりしてね。

関東にチャンネルが少ない弊社ですから、願ったり適ったりです。これから鍛えていく彼等が、如何に多く、私の引き出しを引っ張り出してくれるのか、へんな流れになっている関東の滑り止めを是正してくれるのか、期待して止みません。

私みたいな者と話をするためにわざわざ東京から出向いてくれた事に感謝しつつ、気分が良かったこともあって、朝の10時から夕方の6時まで喋りましたよ。M2の前田さん、平山さん本当にお疲れ様でした。また大理石や御影石の磨きの滑り止めを、あーだこーだと言いながらテスティングしたのも、久しぶりだったですね。

磨きの石材のロケーションをさほど変化させずに滑りを止めることは、10年も前から必要性を感じてはいたんですが、なかなか認知してもらえずに今日に至っています。理解者が増えるのは私にとって嬉しいことです。業界の良き指導者となるよう、腹を据えて育てていきたいと思っています。

滑り止めは溶剤がすべてではない。むしろスタート

さて、滑り止め溶剤の開発は、今後も必要に応じて進めて行きますが、滑り止めの良し悪しが全て溶剤次第と勘違いをされても困ります。

以前に書いていますが、滑り止めの施工は、野球に例えると1回の表の先制点に過ぎません。キッチリと守備を固めないと逆転(滑り出す可能性有)されます。メンテナンス業者や、お客様に簡単なメンテナンスマニュアルを提出し、後はお任せでは決して安全の保持はできません。

施工が終了した時点から、安全レベルを何年継続させられるか・・・始まりなんです。何せ施工は1回の表なんですから。

アンチ巨人の私が言うのもなんですが、川相選手は好きでした。云わずと知れた守備とバントの名手。本当に上手かったナぁ・・・それなりの研究と努力があってのことだと思います。甲子園を目指し、有名校の野球部に入部した1年生に出来ますか?いくら良いグローブを手にしても、すばらしく手入れされたグランドであっても無理でしょうね。

でもね、もし川相選手が選任コーチとして彼等に、手取り足取り指導するとしたら、たちまちある程度のレベルになるのと違いますか?・・・くやしいけど、今日強い中日ドラゴンズの核である二遊間、荒木と井端が更に進化したのは、川相コーチあってのこと。落合さんを褒めるべきかな・・・?

指導する立場に位置する者は、それなりに修羅場を潜り抜けてきた人だと思います。類似業者の中にも、そう云う人材が育っている事を期待し願っています。

サポート体制の意義とは?

充実したサポートで安心、安全を提供する。今日どこの業者さんのホームページを見ても、当たり前のように出ていますが、本当にそうであって欲しいと思います。

私が若い頃、先輩達からよく耳にした言葉に

医者と弁護士と銀行員の3人を友達に持て

って言うのがあります。病気になったら医者の友人を訪ね、トラブル発生時には弁護士の友人に頼み、金に関する事は銀行員の友人を利用せよってんですよ。都合のいい話ではありますが、確かにそうですね。

医者にも多くの分野がありますし、医者になるためには、医大・研修医・国家試験とクリアすべき高きハードルが立ちはだかります。人命に携わる仕事ですからね。当然長い経験と知識が求められる訳で、独立系の医者になるためには最短でも約10年を要します。

弁護士にも狭き門、司法試験に合格するまで全く同じことが言えます。銀行員になる為に国家資格はいりませんが、実はこれも大変な仕事なんです。だって皆さんの命の次に大事なモノを預かって商売しているんですから。

別な意味で、お客様の代わりに功利的な仕事をするために、各種のコンサルタントの資格を取ったり、宅建の資格を取ったりする人も多くいます。いずれも国家資格となります。要するに、医者・弁護士・銀行員のいずれも長い経験と知識を必要とする仕事なんですよね。

必要にかられてメーカーになっただけ

滑り止めの仕事に携わるのに国家資格は要りません。弊社みたいなメーカーは当然、製造販売の許可を要しますから、毒物劇物取締法における国家資格者を配置する義務があります。

弊社の場合、必要に駆られメーカーとなりました。最近、内藤を研究者みたいに呼ぶ人が増えていますが、違いますよ。今でも私は職人であり、工人です。必要に駆られて・・・の言葉の意味はここにあります。

いつも現場で発生する何かが私を駆り立ててきたんですよ。新種の床を見ては何やコレと思い、体脂肪・残留塩素・スケール等の大量の汚れを見ては、何でこうなるのと思う。施設管理者と話しては、予算枠減のため、まず削るのがメンテナンス部門と聞かされ、メンテナンス業者もいい仕事ができるはずもない・・・と思う。

予算削減の思考が、安易にメンテナンスにシフトされ、メンテナンス業者は四苦八苦。維持管理費が極端に削減されたら、いい仕事が出来るわけがない。それでもやらなきゃ食っていけない・・・。こんな話を多くの業者さんから聞きます。

これでは使命感・達成感と言った気持ち感情も湧いてきませんよね。使命感・達成感って言うのは施設の期待に答えとして生まれて来るもの。金は出さんが口は出す。難しい時代ですなぁ・・・。最近、余談が多いですね。スミマセン。

「どぎゃんかせんとイカン」という想い

ってな訳で、我々の滑り止め業界に大いに関係するゆえに余談を交えてみたんですが、全てが現場からの発信で、"どぎゃんかせんとイカン”という思いが、今日に至っているんですよ。だから私は、今も今後も職人であり工人であり続けるつもりです。理論は後付けって言うのが私流の手法です。

内藤をスリップドクターと呼ぶ人もいます。まぁ悪い気はしません。15年もの間、使命感をもって滑り止めだけをやって来た職人ですから、お医者さん・弁護士さんと肩を並べるってぇ事に多少テレはありますが、これは私自身受け入れてますよ。

上で、中日ドラゴンズの川相コーチのことを書きましたね。コーチするのもサポートするのも、長年の経験と、経験の中で価値ある何かを成し遂げた人ほど多く声が掛かるもんです。努力と苦労のプロセスが次世代に反映されることを球団が願い望むからです。

内藤コーチの要請は身内以外は、まだまだ少ないのが現状です。類似の業者さんからは極端に少ないですね。私を敵対視する必要はありません。皆、滑り止め業界を育んで行く仲間です。遠慮なく私の引き出しを開けに来てください。

滑り止め業界のサポートとは?

サポート・・・直訳すると「支持する」って事を意味しますが、今、我々に正確に伝わってくるのは、サッカーのサポーターぐらいかナァ。汎用的に、支持するが支援する、支援するが応援また手伝うと変化したものと考えます。

滑り止めの業界においてのサポートとは、支援・手伝うことだと考えます。ただし、現場環境は常時変化していきますから、現場施設とのコミュニケーションをどの様にとっていくかがポイントです。

滑り止めの施工を依頼された時点から、サポートは始まります。まずは、ユーザーのニーズをしっかり確認すること。場合によっては、リスク(トラブル)に発展するケースがあるからです。

現場の環境は、其々に違いますから、施工前の現場状態、メンテナンスの現況などできうる限り調査しておくのも重要です。更に施工後の床の変化、その現場の環境事情に応じたメンテナンスの必要性と、その手法と概略を事前に説明しておくことも重要ですね。

施工が終われば、事前に説明した内容に基づいたメンテナンスマニュアルを提出し、本格的なサポートがスタートします。必要となれば出張指導もあり得ますし、メンテナンス業者さんと共に作業をする事もあります。

適正な洗剤による適正な洗浄の指導を正確に伝える事ができるし、ある意味でお互いが納得し、共にこれから現場を守っていこうという意識が、メンテナンス業者さんに働きかけてくれれば大変ありがたいいことになるからです。

現場と云うのは常に予期せぬことが発生するものです。そのために現場の詳細は記録しておく必要があります。施工日、どんな溶剤を使ったか、作業記録、滑り発生の原因、どんな床材であったのか、日常メンテ、定期清掃の有無、施設担当者名、メンテ業者名、等々。

安全、安心という利益を出来るだけ長く提供する為に、施設の現場責任者、メンテナンス業者、そして施工業者である我々が、PDCA(P-守っていく為のプラン・D-その為の行動・C-定期的なチェック・A-チェックに基づく行動)を、現場の状況を共有しながら継続していく事にサポートの意義があるのです。

この記事を書いた人

内藤 憲道

内藤 憲道

多種多様の床材や状態に合わせて滑り止め溶剤を調剤し、美観をまったく損なわずに滑り止め効果をつくる防滑のエキスパート。溶剤系滑り止めでは、業界の第一人者。全国で活躍する防滑業者の多くは、内藤の理論がベースになっているとかいないとか。メンテナンス業界では防滑に限らず床材のドクター(研究者)として知られ、大手ゼネコン、タイルメーカーはもちろん、同業者から現場相談を受けるなど、(一部では)圧倒的な信頼を得ている。

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