SUBERANAI BLOG すべらないブログ

石材会社からのSOS!大理石の黒い汚れを除去して欲しい・・・

最近、何故かお付き合いの増えた石材会社の社長から、またまた新たなSOSが入ってきました。今回のテーマは10年前に敷設した大理石が、真っ黒に汚れてしまったので綺麗にして欲しいと言う事でした。

現場は関西で名高い超一頭地にあり、所有者は某大手企業の会長宅です。とりあえずって事で早速、私のパソコンに10枚程の写真が送付されてきました。

なぜ、大理石がこんなに真っ黒になったのか?

裏庭の芝生に接したエントランス部分100㎡程度が確かに真っ黒になっています。大理石の面影は全くありません。・・・『何故こんなに黒くなったの?』・・・私は社長に尋ねました。

社長がメンテナンス業者から得た情報によると、要因としては、過去に数回高圧洗浄機で床面を洗ったので床の表面に何らかの凹凸が出来て汚れ易くなったのではないかって事でした。

写真とは言え、映像があまりに黒いので実際に現場を拝見させてもらったうえで検討する事にし、翌日伺う事にしました。・・・冒頭に何故か付き合いの増えた?なんて事を書きましたがその理由は・・・この社長、弊社に 一度も滑りに関する相談もなければテーマを出した事がありません。・・・ウチは滑り止め屋ですぞ。・・・(`ε´)

滑り止め以外の相談が多い理由

実はこの社長、弊社が関わってきた某大手ゼネコンの大阪上本町の現場で、真っ白な石壁に色付け作業をしていた私を観察していたらしいのです。・・・某ホテルの40年も経過した風情ある壁の一部を配管工事の為、畳2枚分程度ぶち抜いたんです。

工事完了後に同じ石材を貼ったところ、その部分だけが真っ白けになったんですよ。当然ながらホテル側から苦情が出た訳で、(笑)・・・付き合いも多くなると、ゼネコンの方も弊社の面白いノウハウを知ってたんですね。張り替えた部分が目立た無いように出来ないかって聞くから、簡単に引き受けたんですがね。実は素材準備と事前の色合せにチョイ苦労しました。・・・(笑)

完成した石壁を見て、社長は感激したらしいです。実のところこの真っ白な石は、この社長の会社が納品したもので、ゼネコンに色合せも依頼されたとの事。お手上げ状態の時に弊社がホイホイと作業を始めたもんで、興味をもって観察していたらしいのです。

それからです。何か困ったらチョイチョイSOSが入って来出したのは・・・。今回のテーマは汚れ除去ですが、異常な程に黒付んでいるので、今後のメンテナンスのアドバイスにおいても、その要因分析が必要です。・・・さてさて・・・

会長宅の大理石を現地調査

数日後、会長が在宅だという事で伺いました。さすがに高級住宅地ですナ。自宅のガレージには3台のベンツにセンチュリー等がズラリと並んでいます。広い敷地の石段を駆け上がり、建物をぐるりと回り庭側へ向かいます。愛犬の遊び場だと言う芝生に隣接したところからドス黒くなった大理石が見えてきました。おおよそ120平米の全てが黒ずんでいます。

思っていた以上にひどい状態です。室内も同じ大理石になっていると聞き、拝見する事に・・・そこには白系に薄青の縞模様が入った本磨きのペンテりコンが敷き詰められていました。(ウォ・・さすがぁ)・・・貧乏人の我が家とは雲泥の差で暫く見とれてしまいましたよ。・・・(u_u。)

んでもって、黒ずみの正体とその原因の調査に取り掛かかるのですが、たまたま会長の奥さんもおいでになったので少しお話をさせていただきました。奥さんの話によると年1回、1階部分のガラスの洗浄と裏庭の大理石の洗浄を業者に依頼しているとの事でした。・・・(実はその業者さんって言うのは会長の弟さんが経営している会社)

居宅の1階の居間は南向きで、居間からは西宮から神戸に至るまで全貌出来るのです。『眼下に海と街並みを見下ろせる家』・・・1階の居間は総ガラス張りなんです。そこでまずガラスの周辺部からチェックする事に・・・すると、またたくまに原因となる痕跡が次から次に出てきましてね。会長にどう説明すべきか困ってしまいました。

大理石に1円玉サイズの斑点

1つ目はガラス張り周辺の大理石に、1円玉サイズの斑点が点々と見つかりました。フッ酸痕です。まさかと思いガラスをチェックすると、ガラスの反射でガラスが虹色にみえます。俗に言うところの『焼け色』が至るところに出ています。おそらく大理石を養生せずに、毎年フッ酸で処理してきたんでしょうナ。困ったもんです。

大理石の表面に白化現象

2つ目は大理石の表面状態です。高圧洗浄をやりすぎた結果、表面が凸凹になったと言う事でしたが・・・嘘ですナ。・・・

私の見た目においては、かなりの回数で酸洗いをしてますナ。ぺンテリコンの所々に明らかな白化現象が見えます。おそらくフッ酸痕を除去するために酸洗いをしたんでしょうナ。そしてこの白化現象状態が、今回のドス黒い汚れを発生させた主原因であると思います。

黒い汚れの正体とは?

海を見下ろす高台に位置し、南向きで日当たり風通しが良く、芝生に隣接し、日に1~2回水を散布、白化現象を発生し吸水性と保水性が高くなった大理石・・・この好条件に珪藻に近い単細胞性の苔類の1種が繁殖したものだと思われます。

簡単に除去は出来ますが、それだけだと毎年同じ状況になることが想定されます。常に繁殖しやすい温床が整っている訳ですからね。大理石の張替えって訳にはいかないので、洗浄後にセーフティ流?の対策をうって大理石の環境を変え、苔類の発生を阻止したい旨、会長に提案し帰路につきました。

まぁ、言いたい事は山ほどありましたが、トラブルってことに至ってないので、苔類発生要因については一切触れませんでした。

この記事を書いた人

内藤 憲道

内藤 憲道

多種多様の床材や状態に合わせて滑り止め溶剤を調剤し、美観をまったく損なわずに滑り止め効果をつくる防滑のエキスパート。溶剤系滑り止めでは、業界の第一人者。全国で活躍する防滑業者の多くは、内藤の理論がベースになっているとかいないとか。メンテナンス業界では防滑に限らず床材のドクター(研究者)として知られ、大手ゼネコン、タイルメーカーはもちろん、同業者から現場相談を受けるなど、(一部では)圧倒的な信頼を得ている。

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