SERVICE 防滑効果の持続について

「これって何年もつの?」

20年以上、投げかけられきた質問です。
「10年は持ちます」と回答できればいいのですが、約四半世紀も防滑の世界にいると、軽々しく年数を明言することに違和感を感じます。その結果、質問者の期待外れの回答をすることになるのですが・・・。

ここでは、防滑効果の持続について説明します。

防滑施工したのに
滑りが発生する理由

床内部への汚れの滞留

どんな床でも微細な隙間が存在します。隙間が広い・多い床材は「吸水性が高い」(大理石など)、逆に隙間が狭い・少ない床材は「吸水性が低い」(セラミックタイルなど)と表現されます。吸水性が高い床材は滑りにくく、吸水性が低い床材は滑りやすい傾向にあります。

防滑施工によって、微細な隙間、穴を空けるなどの化学反応を経た床材は、施工前より水や空気の通りがよくなっています。そこに目に見えないミクロレベルの埃、油脂などが、隙間に入っていきます。滑りはそれらが滞留し目詰まりを起こすことで起こります。

“不適合”、もしくは“不十分”なメンテンナンス

床内部への汚れの滞留を引き起こす主な原因は、メンテナンスにあります。あなたの現場に適した洗剤は?この初歩的なこの質問に答えられないと、防滑効果を維持するのはむずかしいと言えます。床材、環境、状況に合ったメンテナンスは、効果持続の生命線です。

  1. 現場の床材や汚れの種類を知らない

    基本中の基本です。そもそも床材の性質と付着する汚れの種類を知らないと、清掃自体ができません。

  2. 使用する適正な洗剤を知らない

    どんな洗剤をどんな濃度で使い分ければいいのか?を知ることが重要です。

  3. 利用状況より対応すべき作業内容を知らない

    利用者の多い日、歩行頻度などの状況を見て、メンテナンス方法を変えていますか?

  4. 清掃頻度、ローテーションが決まっていない

    日常清掃、定期清掃のスパン、作業内容のルーティーン化ができていないと、汚れはどんどん蓄積していきます。

    これらは滑り止めに関わらず、清掃業務として初歩的なことですが、意外とできていないケースが多いです。

不都合な真実

防滑性能の維持は、「誰にもカンタンに」というわけにはいかない。でも、やることはシンプル。
弊社の宣伝を考えると「5年10年もちます!」と言いたいところだが・・・要は「何年持たせたいか?」に尽きる。

防滑施工は、安全安心の始まりに過ぎません。いかに安全安心を長い期間持続させるかが、もっとも重要です。何年もつかは現場の環境とメンテナンスの取り組み方によって変わります。

ですので、最初にしっかりとした打ち合わせが必要です。メンテナンスを清掃の延長線上と軽く考えると、汚れ対策も滑り止め対策も決してうまく軌道しません。

「これって何年もつの?」に対する回答は、「どう持続させるか?」になります。そのためには、滑り止め業者の経験と知識、ノウハウが必要、必然となります。単に5年10年の保証を銘打っても、床を守れる知見がなければその意味はありません。

防滑効果を長く持たせるには?

「誰にもカンタンとはいかない」と言いましたが、当たり前のことを当たり前にやる。それだけで、防滑効果は維持できます。大阪セーフティでは、長く安全安心を維持していただくために、以下のプロセスを経たフォローをさせていただいています。

  1. 現状把握とヒヤリング

    新設はもちろん、特に敷設済の現場では、施工前に現場の状況をヒヤリングをさせていただいています。
    例えば、温泉浴場であれば「温泉分析書」を見ながらいくつか質問をします。

    基本的な質問
    • 床材は何か?石かタイルか?
    • 日常清掃をどうしているか?
    • 床面状態がどうなっているのか?
    • 体脂肪で光っていないか?
    • スケールで白っぽくなっていないか?
    • 使っている洗剤は何か?
    • 何人で作業しているか?
    • 作業時間は何時間あるのか?
    • 使っている道具は?
    • 定期清掃はあるのかないのか?
    • 定期清掃があるとすれば年何回あるのか?
    つっこんだ質問
    • 日常清掃ではPHどれくらいのを洗剤を使っているのか?
    • 汚れの反応性の関係上、最低2種類(アルカリ性、酸性)の洗剤が必要となるが、使い分けできているか?
    • 一日の入浴者は平均何人くらいか?
    • ポリッシャーの回転数は、毎分何回転のものか?
    • バフかブラシか?

    「そこまでする必要が・・・?」とお思いでしょうが、私どもの商品は“安全”です。施工時の防滑効果はもちろん、その維持まで責任があります。お客様あって初めて成立するもの。コミュニケーションは品質を決める。それだけ重要なフェーズになります。

  2. 汚れの種類、床材・環境に合った洗剤の使い分けを知る。

    浴場施設とショッピングモールでは、除去すべき油脂成分が違います。よって、使用する洗剤のPHレベルも大きく変化させる必要があります。床材の吸水性を始めとするそれぞれの特徴・特性によっても、床内に滞留する油脂、汚れの量も変わります。

    まず床材を知る。そして、現場に付着・滞留する汚れを種類を知る必要があります。そのためには、防滑処理したスペースだけでなく、汚れの持込要因となる周辺環境(タイル、アスファルト、コンクリート、インターロッキング、植栽など)も考慮に入れることになります。

    また、モルタルの灰汁など、アルカリ性物質が発生したり、滞留した油脂成分が酸化したりします。ですので、使う洗剤も酸系/アルカリ系と使い分けが必要になります。

    集客施設やマンションなどは、歩行頻度や周辺部に樹木等があるか否か、晴天時、雨天時によっても、当然違いが出てきます。

  3. メンテナンスマニュアルをつくりPDCAを回す

    浴場施設とショッピングモールでは、除去すべき油脂成分が違います。よって、使用する洗剤のPHレベルも大きく変化させる必要があります。床材の吸水性を始めとするそれぞれの特徴・特性によっても、床内に滞留する油脂、汚れの量も変わります。

    弊社のメンテンナンスマニュアルに準じた多くの現場では、防滑性能5〜10年の維持実績があります。

    これらの情報を元に、弊社では防滑施工後のメンテナンスマニュアルを発行しています。グリップ力を低下させる原因、発生する汚れの種類、具体的な洗剤、メンテナンス頻度・方法まで、その現場・体制に合ったマニュアルを作成し、維持に努めていきます。ちなみにマニュアルの発行は、弊社が2001年に始めたのが最初です。

    類似業者さんが言うように、メンテンスは「誰でも簡単に」とは行きません。しかし、弊社のマニュアルにより、あなたの現場では毎日何が起こっているのか、どんな手法・スパンでメンテンナンスが必要なのかが明確になります。すべきことが分かるので「当たり前にやっていく」というシンプルな行動にいきつきます。

    最近ではどこもマニュアルを発行していますが、それをただ提出するだけでは、ほとんどその意味を果たせません。施工した現場の環境を十分に観察し、メンテナンススタッフと変化する現場情報を共有しつつ、PDCAを回していくためのマニュアルになります。

    事例紹介

    1日の入浴者3,000名以上。防滑性能を2年間維持するのは至難の業と言われるスーパー銭湯で、6年以上も安全をキープ

    1日1500名以上の入浴者を数えるスーパー銭湯で、2年間防滑性能を維持するのは至難の技だと言われます。その中でも、6年間安全レベルをキープされている東京の某スーパー銭湯。入浴利用者が1日3,000人を超える日も多くあると聞いています。

    こちらは、弊社のメンテンナンスマニュアルに準じて実施されています。
    日常洗浄に加え、月1回の休館日に定期洗浄がローテーション化されています。メンテンナンス責任者には、過去何回となくアドバイスしてきましたし、責任者ご自身も随分勉強されたように聞いています。

    • 体脂肪は酸化し床内で滞留し固まる
    • ウチの温泉はナトリウムイオンと塩素イオンが多いから、月1で酸系の洗浄が必要
    • 入浴者が多い日は、アルカリ洗剤の濃度(PH調整)を上げる etc

    実はこの施設、トップ管理者もこの程度の知識をお持ちでして、「費用対効果は常に考えている。管理責任者として先の効率化に活かすためにも、現場のことを知らないとね」とサラリとおっしゃいました。

    浴場施設にプール施設。いわゆる洗浄すべき体脂肪、水(温泉)と床、そして洗剤との関係を勉強している人材が増えてきたことは実に喜ばしいこと。

    • アルカリ洗剤と滑り止め洗剤(酸性)
    • 体脂肪と温泉成分などが最も滞留しやすい箇所
    • 歩行の導線となる部分

    などなど理解が深まれば深まるほど、床の安全レベルは向上します。そして限界はあるとしても、メンテコストも削減に繋がるのです。

    したがって、このスーパー銭湯の場合、再施工の必要性が見出せません。現場の情報はメンテ責任者と弊社で常に共有していますから、何かイレギュラーがあれば即連絡が入りますし、弊社も即対応することができます。

アフターメンテナンスを
誰でもカンタン

オリジナル滑り止め洗剤「SLIPOUT(スリップアウト)」

アフターメンテナンスでは、弊社のノウハウを誰でもカンタンに利用できる防滑洗剤があります。
床面への汚れの滞留や滑りを感じる箇所に、SLIPOUTを塗布&こするだけで、元の防滑性能を取り戻すことができます。これは防滑だけでなく洗浄作用も兼ねているため、事前の洗浄不要、洗剤感覚でご使用できます。

スリップアウト
  • 塗って軽くこするだけ
  • 10㎡約10分ほどで完了
  • 洗剤感覚で使用できる
  • 事前の洗浄不要
  • 普通物扱いなので安心安全

大阪セーフティの防滑は「適所適材」が基本です。SLIPOUTもそのまま使うのではなく、お客さまの床材・環境に合った調合を行い、ご提供のプロセスを踏みます。

SLIPOUTを製造した経緯

滑り止め施工というのは、探求すればするほど奥が深くエキサイティングです。床材によってはプロの技量が試される。畏怖と醍醐味さえ感じることがあります。しかしその反面、一般の方には少しハードルが高い。それが防滑リテラシーが依然と高まらない要因とも感じます。常々そのギャップを感じており、一般の方がもっとカンタンに滑り止め洗剤を利用できれば、メンテンスによる安心安全の維持だでなく、わずかでも意識変革に貢献できるのでは?との想いでSLIPOUTを製造した次第です。

SLIPOUTについて

まずは
現場相談と無料デモ
試してみませんか?

当社の「現場相談」とは「現場検証」と思っていただいたほうが分かりやすいです。

滑りは単純なものでなく、床材、仕上げ、利用シーンなどさまざまな要因が絡みます。それらを客観的にプロの眼で確認することで、今なにが起こっているのか?を正確に把握できます。それらを認識せずに対策を行うと滑り止めはもちろん、美観維持にも支障が生まれます。

「現場相談」と「無料デモ」を組み合わせることで、

  • 滑りの原因の特定
  • 化学的な観点での納得の説明
  • その現場で有効な対策方法のアドバイス
  • 適正な溶剤や施工方法によるデモ作業

などを受けていただくことができ、ほとんどの方は当社のデモ作業の結果に驚かれます。

原因と対策が分かれば、問題の多くは解決します。もし、他業者で施工した床が滑り出した、滑りは止まったが美観が損なわれた、お客様の転倒でクレームが発生し対策を打ちたい、などの課題をお持ちなら、一度ご相談ください。全国対応可能ですよ。

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