ビーチサンダルはビーチで履け!!
子供が滑ったゾー??
1996年9月に、大阪府高槻市の某スポーツセンター出入り口周辺部とプールサイド、合わせて約400㎡施工した時のカルテを読み返すと“施工後3週間で子供が滑った”と記されています。
もちろんトラブルに発展する事もなく無事解決したのですが、ひとつ間違えば大問題となっていただけにその時、私がとった行動と思考、そして説明のもって行きかた等をカルテを基に書いてみます。当日は朝から小雨が降り続いていました。
施設から“出入り口で子供が滑った”の連絡を受け、慌てて現場へ駆けつけました。幸い子供さんには怪我もなくホットしたものの事は一大事、さっそく検証する事にしました。
まずはお母さんに丁重にお詫びを申し上げ、その時の状況を尋ねてみました。・・・お母さんの話
駐車場に着くと、施設入り口まで約20mくらいしかないので子供と一緒に走ったんです。滑ったら危ないので気ぃ付けてねって言ってたんですが・・・
続けてお母さんは、『うちの子が悪いんです。心配させてすみません』と言ってくれましたがそうは行きません。
なぜ滑ったのか?
何故滑ったのか?滑り止めが効いてないのか?真剣にチェックする必要があります。
私に思惑もあり子供さんと話をしたかったので、お母さんの了解を得て、子供さんの水泳教室が終わるまで約30分間、チェックしながら待つ事にしました。
施工した箇所はキッチリ滑り止めは効いています。・・・少々走ったくらいで滑るような事はない筈なんだけどなぁ・・・
やがて水泳教室が終わり、大勢の子供さんがゾロゾロと帰り支度を始めました。足元を見ると大半がビーチサンダルを履いています。当時の私は、ビーチサンダルに何ら違和感を感じていなかったし、施設も父兄もそうだったんですね。
ビーチサンダルも大丈夫と思っていたが
そこへ滑った子供さんがやってきました。やはりビーチサンダルを履いています。滑り試験ではビーチサンダルにも効果はあると聞いていたんですが確認のために、お母さん立合いのもと子供さんにスケート遊びをお願いしました。
子供は遊びとなると二つ返事で滑り出しました。一人がやると直ぐに数名が加わりました。2〜3回やっていると、その中の一人のビーチサンダルの突端がスポッと抜けたんです。・・・滑りが抑制されている床で何故滑ったのか、その様子を見て私は原因が掴めました。
- 1つ目はビーチサンダル固有のクッション性
- 2つ目は素足とビーチサンダルの接触間に水分が介入すると、ビーチサンダルの表面そのものが滑り性をもち素足が滑る
ビーチサンダルの基本的機能
コンクリートやアスファルトであっても、ビーチサンダルは滑りやすいのです。履くのは自由ですが、本来ビーチサンダルはビーチ(砂浜)で足裏を保護し、歩きやすくするために軽く設計考案されたものです。
私の話を踏まえて、施設と保護者との話し合いがもたれ以降、ビーチサンダルでの施設利用を控える事となったようです。私のアドバイスを聞き入れていただいた、聡明な施設責任者と御父兄に感謝・感謝。