もっと営業しなさい・・・嬉しいお叱り!!関東有数の遊園地から防滑依頼
やっと・・実ったのかナ
数日前、突然に関東でも有数の遊園施設を経営しているA社の施設管理責任者から、電話が入りました。
4年間、様子を見てきた御社の滑り止めなんですが、非常に良いので弊社の関連施設にも今後採用して行きたい。
ついては近々のうちに出向いてくれませんか。
このA社は、5年前に遊園地内に浴場施設を増設、土日には利用者が3,000人を超し、整理券が配られる程の賑わいを見せています。最近、この浴場施設を利用した私の弟子達から、・・”全く滑りを感じない、しっかりメンテナンスされていて驚きました。”・・との報告を受けてはいましたが、嬉しい限りです。
利用者の多さもあり、床がヌルヌル状態に
遊園地の一角に立地する関係上、お子さん連れの利用客が多く、転倒事故防止の対策として、4年前に滑り止めの施工をさせていただきました。
当時、1年を経過したばかりの床(花崗岩のバーナー)ではありましたが、多くの利用者の影響もあり、既に床はべたつきヌルヌルの状態となっていました。
滑り止め施工だけなら弊社の類似業者にも出来たと思います。問題なのは、滑り止め効果の継続です。
洗剤を使ってメンテナンスをキチッとしないと滑り出しますよ。この程度のアドバイス、又はメンテナンスマニュアルでは話になりません。
1年でベタベタヌルヌルになっているし、この間、メンテナンス業者も其れなりに床の洗浄をして来ているんですからね。A社が弊社をドラフト1位に指名してくれた背景には、”いかに安全を守り抜くか”と言う、多くの現場を知り尽くした弊社の”知恵”が活かされたんだと思います。
十分な現地調査から始まる滑り止め施工
- 敷設されている床の特性を知り、1日の利用者の数を知る。
- 体脂肪の残量と床との構成を想定する。
- 使用されている温泉の成分『水』を知り、塩素の投入量を知る。
- そして従来のメンテナンスの手法の適正度を想定する。
- また、浴場内の何処が最も滑りを感じる箇所であるか、何故そうなったのかを特定する。
・・・十分な現地調査と施設管理者及びメンテナンス担当責任者との細やかなヒヤリングを経て、施工後の守り(守備)の手法を、化学的に要因毎、1つ1つ明確にする。
メンテナンス担当責任者が”これならやれる”と納得し、”これならランニングコストもOK”と、施設管理責任者も納得させられるのがメンテナンスマニュアルであるべきだと思います。
過去、数えきれないほど、スーパー銭湯をはじめ浴場施設の滑り止め施工をしてきましたが、ここまでキッチリとメンテナンスを実行してくれている施設は他にありません。
昨年、私が入浴した時も全く滑りを感じませんでした。嬉しくなって電話をくれたA社のY氏に、「ここまでしっかり守って頂いて本当に有難う御座います。」。15年目にして初めてメンテナンスにおける感謝の言葉を述べました。
滑り止めの世界は奥深くエンドレス
話がそれますが最近、弟子の中から"内藤統括は、いつまでもうるさい。もう任せてくれたらいいじゃん。”と言う声もチラホラ。
本当にほっといても、ええんかいな。・・・車の運転は、すぐに上手くなる?・・・そして上手くなったと勘違いした奴ほど、違反や事故を起こす。本当に運転の上手い人は、ルールを守り、万が一に発生するかも知れない、色んな事を想定し走ります。
滑り止めの世界は、奥が深くてエンドレスの世界。ましてやお客様自体、未知の世界です。それ故に、自分に妥協せず、誰しもが施工からメンテナンスに至るまで、”最善を尽くす”のがセーフティとしての使命、ルールだと思っています。
私は、いつまでもセーフティの原点であります。小さくても企業ですから儲かってナンボは承知しています。そやけどね。金儲けとセーフティのルールは別物ですよ。
施設のすばらしい管理能力に感心する
A社の浴場施設に、弊社の関係者がたびたび訪れる理由は、そのメンテナンスのすばらしさにあります。昨年の秋頃に施設の清掃責任者S氏と話をしてきた弊社の稲垣が感心していました。稲垣曰く、・・・・『彼は、汚れの落とし方を良く知っています。』・・・・
浴場施設の床は、利用者数、施設の使う水の水質等により、日常的に変化していきます。指示されたメンテナンスの方法だけでは対応出来ない場合もあります。
S氏は、床とその関係を実に良く承知しており、日常清掃の際、清掃担当者にアルカリ洗剤のPHレベルの調整(希釈倍数)を指示し、それでも残留し蓄積する体脂肪は、定期的に弊社の滑り止め洗剤を、その都度、適量に希釈使用し、床内から油脂を掻き出している。
ここまで徹底し清掃管理できるのは、S氏のすばらしい管理能力の他ありません。・・・なるほど稲垣が感心するのは最もだと思います。
事実、私が今年入浴した時も、滑る感覚は何処の箇所にもありませんでした。私が嬉しいのは、弊社の商品で安全を維持してくれている事ではありません。
S氏がメンテナンス本来の意味を理解し、直面する現場で探究心を持ち、試行錯誤し、どうしたらもっと良くなるのか、研鑽を重ねてくれた結果が、”滑る所が無い”と、滑り止めを業としている連中に評価されたことです。
滑り止めを維持できる施設と、できない施設のちがい
大手のスーパー銭湯をはじめ今日まで、数え切れない程、浴場施設の滑り止めをやってきました。2〜3年毎に滑り止めの再施工を依頼をしてくる施設もあります。もちろん仕事を頂く訳ですから、有難い事なんですが、正直憂いもあります。
メンテナンスマニュアルも提出し、説明も十分にしています。・・・それでも守れない・・・溶剤を使った滑り止めって、大した事ないんじゃないの。・・・正直言われる事もあります。
5年経過しても滑らない銭湯
いえいえ、そんな事はありませんよ。5年経っても、未だに床はピカピカ、滑りませんよ。・・・なんて言う施設も少ないながら間違いなく存在していますし、大阪の今里に位置する昔懐かしい風情を維持する松の湯さんは、確か平成11年に施工したと思いますが、ご主人がしっかり守ってくれていて、まだ滑りません。
松の湯さんは、2年前から滑り止め洗剤を使ってくれていますが、ご主人曰く、「ますます滑らんようになった。」・・・施工後、もう10年も経っている浴場も、メンテナンスを理解さえすれば、安全をしっかりキープ出来るってことです。
思考力の差???
A社や、松の湯さんは、決して特別な事をしている訳ではありません。維持できる事を維持していくための思考力を発揮されているだけです。・・・与えられ指示された事だけを時間内に終わらせるメンテナンス作業者さん(最近のメンテナンス業者の主流)には、この思考力と言う部分が閉ざされているように思えてなりません。思考なき現場に発展はあり得ません。従って、守れないのです。
もっと営業しなさい・・・嬉しいお叱り
さて、A社の施設管理責任者との話に戻りますが、4年間様子を見てきた背景には、私的に類似業者の影もちらつきます。ここ数年、関西主流であった類似の滑り止めメーカーなるものが、いまや関東主流となっているからです。
おそらく大手であるA社には、その多くが類似商品を持ち込んでいることでしょう。関東圏に拠点の少ない弊社の弱点は営業力といえます。
今回のテーマで幸いだった事は、費用対効果もさることながら、A社にメンテナンスに知見の深い管理責任者と現場担当者がいてくれたこと、そして本気で安全確保に取り組んでくれたことです。弊社にとっては何よりも有難い方々です。
電話での最後の一言。
セーフティさん御社は他とはレベルが違うのだから、
もっとウチ(A社)に顔だして、もっと色々提案してよ。
技術優先の弱小会社に嬉しいお叱り、誠に恐縮であり、有難く頂戴致します。
任せてください。
こんばんは、阪南の望月です。
先日は施工ありがとうございました。
今回の記事とは全然違いますが、先日の施工の後、何度か雨等がふったり、木への水やりを行っていますが、滑り止め効果によってすこぶる快調な毎日を過ごしております。
その報告まで。
望月さんへ
お元気ですか・・・嬉しくなるご一報有難う御座います。望月さんと言えば、伺った際に拝見した圧縮材が頭から離れません。
日本書記の木種播きの条に、宮殿建築には檜を使え、杉と楠は船に使え、槙の木は死者を納める棺にせよ・・と書かれてありますが、圧縮材はその中の檜に匹敵する様な気がしてなりません。
もちろん全てではありません。独特の香りは別物として、建築物には適していると考えます。未熟な私の中では、50年、100年乾燥させた反りが殆ど発生しない建築材としてのイメージしか未だ湧いてきません。・・(シュン)・・
滑り止めについては、何かあれば率直なご意見お聞かせください。滑り止め屋の私に、もっと滑らせるアイデアがないかとお尋ねになった望月さんの感性に不思議なほど愉快な気持ちになりました。有難う御座いました。