転倒した主婦に口止め料!知見不足が生んだ悲劇
5月19日・20日の2日間、(株)阪和の展示会に滑り止め洗剤メーカーとして参加してきました。主催している(株)阪和さんとしても、大阪がインフルエンザで大騒ぎしている時にどうなることかと心配する中、メンテナンス業者さんを中心に約1200名もの来場で大いに賑わいました。
ワンコロ40万って?
「ワンコロ40万」何ともおかしな表現ですよね。実は、弊社の展示ブースに立ち寄られたメンテナンス会社の社長さんが、
今メンテナンス業界の流行語だよ
と言って話されたんです。面白かったので今回のテーマとして取り上げてみたいと思いました。
その社長さんの話とは・・・・
- 磨きのセラミックタイルが敷設されている某スーパーで滑りの問題が発生した。
- スーパーは数社の業者に滑り止め工事の見積もりを依頼し、最も安い価格を提示した業者に工事をさせる事にした。
- 工事は一日で終了し、5年保証を確約して取り合えず滑りの問題は解決した。
- しかし、一週間経った頃、工事したセラミックタイルの床はドス黒く汚れ、洗っても汚れが落ちない状態に変化してしまった。
- そして更に一ヶ月経った雨の日、そのスーパーで主婦が滑って転倒する事故が発生してしまった。
- スーパーは即座に滑り止め工事業者に連絡をとり、その業者は血相を変えすっ飛んできた。滑った床を調べたら、汚れで目詰まりが発生し、滑り易い床に戻っていた。
- 業者は持参した洗剤を駆使し床の洗浄をし、床は多少防滑性を取り戻したものの、汚れを取り除くことは出来なかった。
- スーパー側は5年の保証期間内ということもあって、その事故の全ての責任を工事業者に押し付けてきた。
そこでその工事業者がとった行動と言うのが・・・。
転倒した主婦に口止め料???
スーパーに施工責任を問われた工事会社は、スーパーに対する工事保証とスリップ転倒した主婦への謝罪に向けて画策に走りました。
スーパーに対しては、再施工を施したらしい以外詳細は不明ではあるが、転倒した主婦には口止めを条件に、ナナナナンと40万円支払った。主婦に口止めを約束したものの、スーパーには多くの業者さんが出入りしている訳で、たちまちニュースとして八方四方に広がってしまった。
「ワンコロ40万」いつの間にかメンテナンス業界で流行ってしまったんですね。・・・って事は工事会社さんと言うのは、メンテナンス会社だったんでしょうかね。
セラミックタイルなのに、磁器用の滑り止め溶剤を使用?
工事会社にどうのこうの言うつもりはありません。ただ、おそらくセラッミクタイルの滑り止めをするのに、磁器タイル等に使用する施工溶剤を塗布したんでしょうね。
確かに施工直後の滑りは抑制されますが、光沢は飛ぶは汚れは無茶苦茶つくは、そして最悪な事に滑り出すのが早くなるんですよ。
床材には其々の特徴・特性があります。その特徴・特性に応じた滑り止め溶剤が必要です。そして更に、滑り止めを永く維持するために床材毎、または施設のニーズ毎に最も適したメンテナンス(維持管理)の手法を提供する事が重要かつ必然なんですよ。おそらく何も考えずに施工したんでしょうね。
類似業者が蔓延る(はびこる)中、彼等を信じ協賛し、滑り止め工事業者となる会社が急速に増えている昨今、「ワンコロ40万」が何度も繰り返され無い事を願うばかりです。