今後多用される磁器タイル仕上げの模造石・・・
もはや天然石は高嶺の花子さん???
3年前になると思いますが、有名な元N健設計建築事務所のN氏とのやりとりを思い出しました。・・・久し振りに電話を頂戴し結構長話をする事になりましてね。・・・私が復帰した理由とか、以前を社長任せていた荒川をクビにした話とか、まあ他愛もない話でしたが・・・本題は、現在改築中のある施設のトイレに敷設予定のタイルへの滑り止め施工の打診でした。
N氏の話・・・本当は磨きの石を使いたかったんだけど、石材が高くってね。それで最近はタイルに石の模様を入れて、言わばタイルで石を作る?なんて事になりつつある。・・そこで今回敷設予定のタイルを送るので内藤のマニアックな技術でうまく対応してほしい。
翌々日、タイルが到着。・・・まあなんて言うか・・模様で石には見えん事はないけどタイルはタイルって感じの施釉のタイルでした。・・・タイルに艶はあっても、セラミックタイルや石の本磨きの光沢とでは雲泥の差があります。・・施釉と本磨きとの差を分かり易く例えれば、鏡とマジックミラーの違いってとこでしょうかね。・・・
光沢を維持して滑り止めを依頼された場合、施釉タイルと本磨きのタイル(セラミック)の滑り止め手法は異なります。・・・共に安全なレベルに加工は出来ますが、持続性が異なります。・・専門的に述べれば、①分厚い釉薬に反応させ隙間を形成する②タイルのシリカ成分にのみ反応させ隙間を構築すると言った考え方になります。・・従って摩耗性を考えれば圧倒的に施釉タイルに不利の判定が下されるのは必然となります。・・とは言え施釉タイルにおいても2~3年程度は安全レベルはキープ出来ると思っています。・・・色合いがキープ出来れば光沢はさほど気にしないって事であれば5年以上安全維持可能な施工も出来るのですが・・・残念ながら今回のテーマは光沢・色合い共に維持してほしいと言うう事でした。
開発者ではありますがまだまだ修行中の身、展覧会出展レベルの作品はある意味簡単に制作出来ますが、実際に現場に使うって事になれば、まだまだ多くの検討を要する場合もあるのです。ただ滑りが一時止まれば良いってだけでは仕事は請けられません。
折角のご依頼ではありましたが、届けて頂いたタイルにデモ施工し発送した後、上記の内容を説明し再検討のお願いをしました。
N氏曰く、¨良く出来てると思うけどなあ¨・・・だけど内藤がそう言うのであれば再検討するし、改めて連絡するって事になりました。
内藤の独り言
どうせなら現存する安いセラミックタイルに多種の石材の模様を付け、シリコーン樹脂コーティングすれば長期に持続性のある滑り止め施工が出来るのに。・・・タイルで石の代替品を作るって言っているのに気が付いて無いのか・・・弊社には世界で唯一、シリコーン樹脂コーティングに施工対応出来る技術があるのに・・・まあ・・そのうち教えてあげよう・・・