SUBERANAI BLOG すべらないブログ

施設管理者は有能な料理人に学べ・・・その2

    安全になっても安心ばかりはしてられない・・・

Rホテルの管理責任者O氏は防滑作業中の現場に度々顔を見せていました。・・その理由は施工前の打ち合わせ時に、下記の施工後のメンテナンスの重要性を説明した事にあります。・・・

①タイル内に吸収され、固まって八方四方に散らばって滞留している体脂肪の除去は鍋釜の汚れを落とすように簡単ではない事。・・・②体脂肪は長い間滞留すると酸化し発酵臭を発生させる事。・・・③体脂肪を除去するには乳化分解がベストでその為に使用する洗剤はPH11以上のアルカリ洗剤が必要である事。・・・④洗い流す際はお湯を使用すると体脂肪が溶け易く効果的である事。・・・⑤基本日常的にアルカリ洗浄する事。・・・等々・・・作業現場を見る事で覚えたかったと言うのです。

ある意味で感動しましたよ。・・・従来から弊社は現場毎に状況に応じたメンテナンスマニュアルを提供してきましたが現場サイドでキチっと守られた感がありませんでした。・・その一番の理由は施工中に施設管理責任者が、時間がないからと事前説明した内容の確認をしに来るなんて事が殆どないからです。・・勿論メンテナンスマニュアルにはどうすれば維持出来るのか記載をしてはいますが、タイル内の体脂肪の滞留予測と使用洗剤の希釈量とか言うのは実際に施工現場で確認してこそ理解出来るものなのです。

洗い流す場合も水のみ、お湯を使う場合、湯温30℃・40℃・45℃・・・全てに変化があります。・・・洗浄用具によっても変化があり、洗浄時間によっても変化します。・・・メンテナンスマニュアルにその全てを記載する事は極めて困難なのです。感覚・感性・知識を要する作業がメンテナンスなのです。

O氏は私の説明をなんやら沢山メモっていたようでした。・・・こんな人初めてでしたね。・・・そして私とコミュニケーションとりながら現在もキッチリと守ってくれています。・・・O氏曰く、滑り止め施工したからって安心なんかしてません。・・・今後は時折、お客様へアンケートをお願いしながら浴場をより快適にご利用頂けるよう弊社にアドバイスをお願いしつつ、スタッフと頑張っていきます。・・・

O氏と内藤の対談話

利用者入浴後の体脂肪(動物性油脂)を綺麗に洗い、湯桶、カラン、鏡を綺麗に拭き上げ、翌日に向け受け入れ態勢を完備する。・・・まるでホテルの厨房と同じ事やってますね。・・・営業終了と同時に、食器類の洗浄格納、鍋釜、フライパンをピカピカになるまで洗い、厨房機器の拭き上げ、そして床の洗浄をし翌日に備える。・・・洗い物をする意味においては同じかもしれないが、・・・シェフはそれだけでは終われません。・・・お客様に喜びと感動を提供する使命感みたいなものがあるので、より良い食材の追究、レシピを草案作成し試作、食感、味、後は、なんやらかんやら色々とやっているようです。・・・

浴場はレストランとは違うけど、綺麗にして翌日に備えるのは当然の事。決して特別な事ではないですけど・・・我々もお客様に喜びと感動して頂けるような気持ちを持たないといけませんね。有能なシェフに学べって事ですかね。・・・ハハハ。

 

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この記事を書いた人

内藤 憲道

内藤 憲道

多種多様の床材や状態に合わせて滑り止め溶剤を調剤し、美観をまったく損なわずに滑り止め効果をつくる防滑のエキスパート。溶剤系滑り止めでは、業界の第一人者。全国で活躍する防滑業者の多くは、内藤の理論がベースになっているとかいないとか。メンテナンス業界では防滑に限らず床材のドクター(研究者)として知られ、大手ゼネコン、タイルメーカーはもちろん、同業者から現場相談を受けるなど、(一部では)圧倒的な信頼を得ている。

  1. 松葉伸一 より:

    洗い流すお湯の温度まで考えてなかったです。
    でも、40℃前後位のお湯で洗い流した時が、脂が良く出ているような気がしますが・・・
    洗剤もお湯で希釈してみるとか、試してみます。

    • 内藤 憲道 内藤 憲道 より:

      松葉さん いつも見てくれて有難うございます。ブログ上ではザクッとしか表現できないので又余裕がある日に可愛い2代目と来てください。授業しますよ。万分の1の世界の考え方。

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