落札した防滑会社からのSOS・・・某国立大学での嘘のような本当の話。
国立大学のキャンパスの一部が滑る
もう5年も前の話。京都の某国立大学から、キャンパスの一部が滑って困っていると電話が入ってきました。早速、現地調査と説明の為、営業担当に京都へ直行するよう指示しました。
大学のキャンパスの一部には、テラゾータイルが敷設されていて、表面がかなり磨耗し確かに滑りを感じます。特にスニーカーを履いている学生さんには危険なレベルであると事務局の担当者に報告しました。
デモ作業を経て前向きな検討へ
ならば直ちにデモ施工と相成りまして、2平米程度実施し、効果の確認をしてもらい、これは良いと言うことになり、前向きに検討するってことでしたので、かなり期待して帰りました。
その後、多くの資料を求められるは、理論説明を求められるはで、幾たびか大学へ出向くことになりました。その時点では特殊な滑り止め手法と言うことで、随意契約的な話も飛び交っていて、見積もりの提出を依頼された時には、期待感は絶好調に達していました。
入札の案内???
1ヶ月後、大学から「入札の案内」なるファックスが舞い込んできました。慌てて大学の担当者に電話してみると、その後調査したら同業者がかなり出ていたので、公平を期すための処置と言うことでした。
がっかりはしたものの当然といえば当然のこと。ME工法または、同等かそれ以上と言う条件のもと、京都府の指名業者による入札となりました。弊社にはその後、京都の業者さんからの電話が殺到し、弊社は、標準的な平米単価を全社に示しました。
弊社の半額以下の見積もり!!
結果は、弊社が示した標準価格の半値以下でY社が落札しました。弊社の全員が口を揃えて言います。
無茶しよるなぁ・・・・こんな話は直ちに忘れてしまうのが身のためと、皆が忘れかけていた矢先、落札して既に施工も終わっているはずのY社からSOSの電話が入ってきました。何事か?と思いきや、Y社の話を聞いてズッコケテしまいました。
なぜか落札して施工済の競合、Y社から「助けてほしい」
困り果てた様相が伺える中、Y社の社長が「助けてほしい」と話を切り出してきました。
困っている時はお互い様?ではありますが、如何せん相場の半値以下で落札した会社ですから、助けるも助けないも、まず
- 何を以って安い価格で施工が出来たのか?
- 滑り止め施工の経験がどれくらいなのか?
- 誰に滑り止めの指導を受けたのか?
この3点だけは聞いておかないと話の進めようがありません。
よほど困っていたんでしょうか?Y社の社長は臆せずスラスラと喋ってくれました。
突然に滑り止め工事の入札の話が飛び込んで来た。
御社の仕様書を見て、以前から取引のある福岡のM社に同じようなものがある事を思い出した。M社に電話し話をしたら、滑り止め溶剤を販売しているので、それを使えば十分に施工ができると言われた。
「誰にでも出来るのか?」と聞いたら、掃除ができる人なら誰にでもできると言われた。
作業はどうするのか?と聞いたら、溶剤をタイル全面に塗って、後は多量の水で流すだけと教えてくれた。今までやった事がなかったんで、M社から溶剤を買って大学でテストをしたら、上手く滑りが止まったんでM社の話を信じ、施工をした。
Y社の社長の話を聞いて、M社の無責任な指導に私は腹が立ってきました。何にも教えてないじゃないか┐・(¯ヘ¯)┌ フゥゥ~
話の内容で現場がどうなったか見当がつきましたので、最後に1つ尋ねてみました。「BPNはどうでしたか??」
滑りはそれなりに止まっているんですが・・・34程度しか出ませんでした。
ならば御社がデモ施工した箇所を測ってみようと思い、計測したら43も出ていたので何が違うのか、
それも知りたくて本日電話した次第です。
テラゾータイルであれ、磁器タイルであれ施工となれば、それなりの経験と知識が必要です。経験がなければ、十分にサポートしてくれる知見者が必要です。
Y社の社長の話に理解を示し、ならばと弊社のノウハウを提供して、Y社の大学での施工も無事完了したようです。
そんな無茶な話おまへんでぇ
何の調査もせず、全てが同じ工法と判断し入札させ、最低価格で施工を発注した国立の某大学と、何の指導、サポートもしなかった溶剤を売っただけの福岡のM社に突きつけたい。
施工会社のY社には驚かされたが、何も知らないと言うのは怖さを知らないと言うこと。ある意味で被害者?であるかもね。これから発展を目指す業界です。これを機会にもっと勉強し、いい仕事をしてほしいと思いました。