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トラブル発生!黒ずんだセラミックタイル

広島でトラブル発生緊急出動!!

先日、大阪のタイルのブランドメーカーより緊急のテーマが飛び込んできました。敷設先からタイルに付いた汚れが簡単に拭き取れないとの苦情が入り、数回にわたり社長自ら広島に出向き説明を求められて苦慮しているとのことでした。

一度も面識のない社長が、なぜ私を指名打者にしたのか?その裏話はさて置き、今回の私の仕事人としての使命は、タイルの洗浄と防汚処理(コーティング)・・・は表の仕事で、本音は、施設オーナーへの説得となります。

メンテンスフリーではなく、ワックスフリー

早速準備し即刻始動です。広島の弟子(代理店)も駆けつけてくれました。予定より2時間前の現地到着です。2時間足らずの間に施設オーナーを納得させねばなりません。

早速施設内外のチェック開始です。幸いにも今回は10分程度で全ての原因が見つかりました。あとは立腹中の施設オーナーに話をどう切り込むか、そこが問題です。

実は、今回のテーマの流れの中に、トラブルの引き金となった大きなミスが販売した側とタイル敷設以降、日常的にメンテナンスを管理担当する側、双方にありました。

今回敷設されたタイルは中国製のセラミックタイルで通称疑似石と呼ばれ石を微粉末にし材料としたタイルで、白系のもので無釉薬の磨きのものです。

ブランドメーカーはメンテナンスフリーのタイルであると商品説明をしてしまったんですね。実は、ワックスフリーが正解なんです。

最近、にわかにブランドメーカーが増えていますが、同様にメンテナンスフリーと銘打って販売している会社が多いのには驚きました。セラミックタイルの何たるかは長くなるので又いつの日にか記したいと思いますが、今回のトラブルの発端はこのメンテナンスフリーの一言にあります。

施設オーナーはその一言を信じてセラミックタイルは汚れにくいし、汚れても簡単に拭き取れるから以降のメンテナンスも楽になると思ったんですね。私はこの場合、ワックスフリーの説明であったとしても施設オーナーの判断は正しかったと思います。

お会いして判ったんですが、意外や意外、このオーナー聡明で大変に心やさしい人物なんです。ただ残念なのは、トラブルの起因に話は展開していきます。

理解あるオーナーだったが、黒ずんだセラミックタイルの原因は?

メンテナンスフリーがワックスフリーの誤りであること、セラッミックタイルに付いた汚れは販売会社が説明した様に本来拭き取りやすいこと等、聡明なオーナーは、私の話を直ちに理解してくれました。

しかしながら、セラミックタイルは現実その殆んどが黒ずんでいます。モップ痕と一目で解ります。白系セラミックタイルの天敵?となりつつありますモップ拭き。セラミックタイルのメーカー、ブランドメーカー各社が共通して頭を悩ましている大きなテーマでもあります。

追い討ちをかける出来事

施設の規模が大きくなるほど、同じトラブルが多発していることは否定できません。更に、今回の現場は、それに追い討ちをかける出来事がありました。施設の前面通路アスファルトが新しく打ち直しされていました。

建物はガラス張りで白系の壁、床は白系のタイル、入口は黒のアスファルト、コンセプトとしては見栄えが良くて悪くないかも。オーナーも、設計会社も、ゼネコンも何ら違和感は無かったと思います。

だんだんと話が見えてきたかと思いますが、大きな問題点がここにあります。アスファルトと言えば、主成分はコールタール。しかも新設されたものです。現場は多くの人が出入りする所です。通常より靴底に油成分が付き易くなっています。

更に雨でも降ったら多くの油成分を含んだ汚れが施設ないへ持込れるのは必然で、大きな起因となったんですね。そして黒ずみの要因(条件)となったのがモップ拭きです。最近、乾式清掃を実施している施設が増えつつありますが、その理由の一つにモップ痕の回避が上げられます。

元々モップで拭くという作業は昔(私が子供の頃/現在56歳・・・・)の雑巾がけを意味します。よくやらされ、よしてよく怒られたものです。汚れた雑巾いつまでつかっとるんか!バケツにマイペットを入れ汚れた雑巾を綺麗になるまで洗い、力一杯に絞った経験、皆さんありませんか?洋式化が常識となった今日、モップ掛けも定着しています。

汚れを引き伸ばすだけの水拭きモップ

以前に、私が関係したいくつかの施設で日常的にモップ掛けをしている担当者に無礼、失礼を承知で質問したことがあります。それで汚れが取れてますか?水を、いや水と汚れを引き伸ばしているだけじゃあないんですか?等々。

怒りっぽく返ってきた答えは、

・モップはこうして使うものです。
・こまめに洗っとたら時間がかかって終わらん。
・こう使えと教えてもらった。
・会社の指示どうりにしてます。

等々、ある意味で私の期待?したものでした。

今回の現場がどうであったのかはさて置き、現実、モップ痕とはっきりと見てとれる黒く汚れた染みがあります。今回、洗浄しコーティングすればタイルは綺麗な状態に戻ります。

しかし、日常のメンテナンスを従来通りモップ掛けでやっていったらどうなるか、言わずと知れた事。モップが綺麗な間は汚れは拭き取れますが、汚れてくると当然モップ痕は残ります。

そこで私がオーナーに提案し、自らやって見せ、納得して頂いた内容をご紹介します。なお、現状の当施設のメンテナンスは、業者を一切使わず、全て従業員が日々交代で担当しています。

モップ拭きより、スポンジワイパーで汚れを吸い取る方法が理論的?

スポンジワイパーというのは、長さ調整棒の先端にスポンジが付いていてレバーを引くとスポンジを絞ることができます。バケツとセットにすれば昔の雑巾がけと同じイメージで清掃できます。

絞ったスポンジは吸水性が高くなり、絞ったタオルと似た機能を果たしてくれます。使い方は、汚れた箇所に置き、引きながら汚れを吸い取ります。一回で取れなかったら数回繰り返すと効果的です。

スポンジが汚れたらバケツに入れ、レバーを引けばスポンジに付いた汚れも汚水となり絞り落す事ができます。後は同じ事を繰り返すだけです。短時間で広い面積を交代で担当者に任せるのはコスト上はベストかもしれません。

しかしながら、現状の手法体制では思うような改善は望めません。日常的な手法としては、天気の良い日は、乾式で、掃除機を主に目立った汚れのみスポンジワイパーで拭き取り、雨天の日は、基本は乾式と同じですが、人手を増やし、スポンジワイパーを多用する等、メリハリをつけることが肝要です。

そして年に数回、業者に洗浄を依頼することも視野に入れて対策を検討してほしいですね・・・。

今回のテーマは一応の解決となりましたが、長年の慣習というのは連絡、連携の潤滑性を悪くするものです。施設の手法体制が機能するまでは時間をかけ、サポートを続行しなければなりません。

この記事を書いた人

内藤 憲道

内藤 憲道

多種多様の床材や状態に合わせて滑り止め溶剤を調剤し、美観をまったく損なわずに滑り止め効果をつくる防滑のエキスパート。溶剤系滑り止めでは、業界の第一人者。全国で活躍する防滑業者の多くは、内藤の理論がベースになっているとかいないとか。メンテナンス業界では防滑に限らず床材のドクター(研究者)として知られ、大手ゼネコン、タイルメーカーはもちろん、同業者から現場相談を受けるなど、(一部では)圧倒的な信頼を得ている。

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