摩擦と滑りの関係・・・摩擦と滑りは別物?
摩擦で滑りは止まる???
一般的な滑り止めを考察してみると、その殆どが摩擦に行き着き、基本的には摩擦力が滑りを止めると考えられる。
内藤的な視点で歩行摩擦を表現すると、
歩行する人と固定された床との間に働く現象で、裸足又は履物底の硬軟及びその形状と、床の表面状態と吸着分子層及び磨耗により、常に変化するもの
となります。
今回は書き出しからチョイ硬い話になってしまいましたが、簡単に言うと、とりあえず摩擦力で滑りは止められるが、床の磨耗、汚れの付着、そして履物底等、其々が変化すると滑り出すと言うことです。
摩擦と言うのは、上記したように経年すると、多くの要因により変化します。従って、磨耗の特性とか摩擦係数の標準化っていうのは、言うまでもなく非常に難しいことなんです。
現在JIS規格とされるCSRについて、かなり確信犯的でかつ強引な規格であると思慮するのは私だけでしょうか?
摩擦力に関する研究は、古くはレオナルド・ダ・ヴィンチに始まる”摩擦力は垂直荷重に比例する。”という発見から数百年を経て現代に至り、その理論は殆ど確立されていると考えます。
残念ながら私の知る限り、経年し、多様に変化した床と摩擦の関連を正確に示す研究資料はありません。こと滑りとの関連となると、更に困難なものになりますから言わずと知れたことかも。
CSRをはじめ静摩擦、動摩擦などを記したいと思っています。
摩擦係数(CSR0.46以上)はクリアーしてるのに滑る???
設計、ゼネコンからの滑りに関するSOSで最も多いのが、
CSRをクリアーしているのに滑って困る
と言った内容のものです。
先日も大手のT社の現場責任者からの依頼で、滑りの診断とデモストレーションを兼ねて施設現場へ行ってきました。現場のタイルは数ヶ月前に敷設されたものでCSRの安全値をクリアーしています。
T社も当然ながら滑りに対し安全な床材をエントリーしたと言うことでした。・・・で、何故滑るのでしょうか?
今回のテーマの床材は、全く磨耗してませんし、メンテナンスも行き届いていて、これと言った汚れは見当たりません。12分の1の勾配の箇所が2箇所僅かにあるだけで、タイルの敷設に関しては何ら問題はありません。
摩擦力と滑り止めは、答えの出せないテーマ
摩擦力と滑り止め(滑り)の関連性は、数百年来、答えの出せないテーマなんですね。出せない答えを確信犯的に且つ強引にモデル化(標準化)し、JIS規格にしたことで今、回のような混乱が至る所でで発生している訳です。
こんな書き方をすると、CSRを否定しているようになりますので、正確にJIS規格の内容の一部を記します。
本来、CSRの静摩擦系数値は高分子床材(化学床材)に適用するものです。それを意図的に無機系床材に使用する、いや、させるからこのような問題が起こるんです。
開発者は無機系床材には使ってほしくないと言いながら、自らが使って鑑定なんてやってますし、タイルメーカー、商社に至っては目安ほしさに堂々とパンフレット等に明記し、安易に安全レベルのタイルとして販売してます。
確信犯的にと言う表現手法を用いるのは適切でないかもしれません。しかしながら、今回の様なテーマがあまりにも多い事、そして実際に転倒事故が多発している現実がある限り、私は関係する各位にもっと真剣に滑りと言うテーマに取り組んでほしいと思うのです。
またお邪魔させて頂きました。
いやぁ、書き出しから本当に固い(すみません)。しかし、自分もこのような話しは大好き
なんです。特にJIS規格のCSRにつきましては、あるTV番組で某教授が出ておりましたが、全く滑りというものをわかっていないと感じました。しかもあんな大きな機械・・・。
次回がすごく楽しみです。
前田様へ
いつもブログ見ていただいて有難う御座います。CSRについては2年ほど前に携帯用ができています。開発者が携帯用を製作した意図が何処にあるのか?・・・売りたいんですね。直接某教授に会ってきた数人の話を聞くたびに学者とは何か、よく判らなくなる私です。私も過去1度電話で話した事がありますが、はっきり言ってあの方は商売人です。前田さんはそこらのところ理解されているようですし、色々書くと誹謗中傷に繋がりますのでこのへんで。・・・