【黎明期:独立編】防滑市場の育成に半生をかけて
早いもので、今月の28日を迎えると私が滑り止めの世界に飛び込んで満15年となります。
犠牲にしてきたこと、失敗を繰り返した中での新たな発見、喜び、そして金も力も無い私を信じ、今尚懲りずに付き合ってくれる仲間達、今、その間の出来事が走馬灯のように頭の中を駆け巡っています。アッと言う間の15年間。唯一不変なのは、会社の虚弱体質ぐらいかナ・・・(u_u。)
防滑施工の加盟店としてスタート
平成7年7月、広島の展示会場で、何気なく立ち寄ったブースの滑り止めに魅入られ、ありったけの金を掻き集め、数日後にはM社の加盟店になってました。契約時に国内第1号と知らされ、その時初めて〃この滑り止め工法はこれからなんだ〃って事覚りました。
平成10年頃、施工した浴場施設が2ヶ月程度で滑り出し、2年間保証の兼ね合いもあり、再施工を余儀なくされた経験があります。当時は、まだ静岡のM社の一加盟店でした。
すべてを完成されたM社のマニュアルに準じて、施工からメンテナンスまでお客様に提供してましたが、再施工等の費用は加盟店が全て負担ってことになってまして。当時、溶剤も1ガロン(3,78L)7万円弱で効果の割には高価なものでした(加盟金も高かったなぁ。広島で300万、大阪でもやると言ったら別途300万支払ったっけ)。
自分の中で価値を認めた仕事なので、今振り返ってみても決して損した感覚はありません。今思えば、浴場施設やプールサイド等の施工現場のほとんどを、再施工か手直し作業してましたね。コストがかさんで遣り繰りするのが大変でした。
本部である静岡のM社はメンテナンスが悪いの一点張りで、メンテナンスの何が悪いのか教えてもくれない。当時は商社的に溶剤を販売しているに過ぎない本部であり、ノウハウもなければ当然、溶剤の開発能力もないわけで、本気で滑り止めを志している私の問い合わせに誰一人として納得する説明、指導をしてくれる人がいなかったみたいです。
そのうちに、文句タレの私を皆が皆敬遠しているのが感じ取れる始末。止む得ず溶剤の発売元である米国のP社長と直接渡り合うことになりましてね。
米国のP社長との対決
いろんな事やり取りしましたよ。
例えば、私がP社長に「Pさん、滑り止めの仕事はね、ベースボールゲームと同じだよ。10点入れても、11点取られたら負けよ。少なくとも9回裏までリードしてゲームを作らなきゃ勝てないよね。今の日本の滑り止めは、いつも3回でコールド負けよ。」と言うと、P社長は「3回はどれくらいの期間を指しているのか。」と切り替えしてきます。
「2〜3ヶ月かなぁ」と言ったら、「メンテナンスしているのか」と返ってきます。「マニュアル通り説明してるよ。」と言ったら、「そりゃぁきっとメンテナンスに問題があるな』と返ってくるから「じゃぁメンテナンスの何が悪いと思うのか」と切り替えしたら、「洗剤の使い方と洗い方が悪いんじゃないかな」と返ってくる。
「じゃぁどう洗剤を使い、どう洗ったらいいのか教えてよ。」と言ったら、
そんな事は餅は餅屋、プロなんだからメンテナンス業者に聞け
まあ、こんなやり取りを含めいろいろ話しましたが、何一つ解決策が見つかりませんでした。
そんなこんなで悩み続けた私が、いよいよM社と決別し、最も不得意な分野、化学の門をこじ開けていくことになっていきます。
勢いで自ら滑り止め溶剤を開発することに
米国のP社長とのやり取りの流れの中で、ならば私が溶剤の開発に挑戦するって話に変わってしまうのですが、大金出してP社とOEM契約を交したM社のO社長に誤解されても困るので、P社長とのやり取りの中での核心部を一部記します。
私がP社長に「Pさん、メンテナンス業者に会って話した事がありますか?」と言うと、「あるよ。彼等はプロなんだから何でもできるんじゃないの?」。米国流なんでしょうかね。ホント、アバウトな答え。
ならばと私が切り替えします。
先日、クレームのあった浴場施設に行って、作業中のメンテナンス業者さんに会ったんだけどね。
20代前半で茶髪の若者が2名と、60代のおばさんが1名計3名で黙々と作業している中、少しだけ話したんだけど、
メンテナンスの経験は、おばさんが2年で2人の若者は1年程度なんだよ。各々の能力は計り知れないが、本当にPさんの言うとおり何でもできるんだろうか?
するとP社長は一瞬、「・・・・・・」そして返ってきた言葉が、
内藤は難しいね。
我々は溶剤を販売するのが仕事。
加盟店は施工をするのが仕事。
滑り止めを維持するのは、メンテナンス業者の仕事だよ。
米国の人は責任施工と言う言葉の意味が理解出来ないのかなぁ・・・なんて思いつつ、最後に私が言った言葉が自ら溶剤開発の門戸を開く事になってしまいます。
Pさん、私の失敗の中には、光沢のある赤の御影石や、黒の御影石の施工があるんだけどね。
赤がピンクに、黒がグレーに変わって光沢も飛んでしまって、
元に戻せってお客さんに怒られて大きなロスを出したこともあるんだけど、溶剤何とかならないの?
呆れたようにP社長が言います。
内藤、床って何千何万ってあるのよ。我々も色々考えた結果3種類にしたんだよ。
まして光沢なんて残したら滑りは止まらないよ。無理だよ。
納得できない私は、
無理か否かはやって見ないと分からないでしょう。
Pさんが出来ないのなら私がチャレンジしたい。
更に呆れた声でP社長。
内藤、出来ると思うのならチャレンジしなさい。
来年また日本に行く。大阪にも行くので、
それまでに内藤の言う"らしきもの”が出来ていたら見せに来なさい。
米国を驚かせる
翌年、約束通りP社長は大阪にやってきました。私は"らしきもの”を8種類持参し、P社長に提示しました。
あの時のP社長の驚いた顔を今もよく覚えています。そしてその時、P社長が言ってくれた一言が更に私をやる気にさせたのです。
内藤、よく頑張ったな。お前はすばらしい。
これ以上の褒め言葉はありません。米国人って大きいナぁ。P社長の話。内藤、これからも共存共栄ですよ。
「Pさん、内藤はまだまだこれから勉強よ。M社とは基本的な発想が違うので別離するかも知れないが、邪魔をする気はない。M社は従来通り加盟店ビジネスをやればいい。私はもっと勉強して、この奥の深い滑り止めの価値観を高め、多くの人に認知してもらう為にも、第2、第3の内藤的感覚を持つ人材の育成をテーマとして頑張るよ。」
平成11年春先の出来事でした。
統括~元気っすか?
横から申し訳ございません、いつも何を書くのやら??と生意気にブログを静観しておりますが…
マジで!
えぇ~加減に!
滑り止めに携わる全ての業者の為に対して!!
『どぎゃんか せんと いかん』
と統括が言われている事を最近、ひしひしと感じております。
業界の発育の為にと踏み切った(なぜ?業界の発育なのか?は類似業者さんにはご理解できないでしょうが…一部の方は除きますョ…Kさん最近は釣れてますか?^^)
『SLIP OUT 洗剤』
の宣伝を含め、我々の地元のホテルや旅館様に伺うと、現場では一生懸命にメンテナンス(清掃)をされている諸先輩方がおられます(浴場の中、皆さん汗だくです)
その先輩方とのやり取りの話なんですが
皆さんがおっしゃるには
『大変なんじゃ~』『取れないんじゃ~』『時間が無いんじゃ~』
と同じ事を口にされます。
『洗剤は何を使ってるんですか?』と聞くと
『Mジックリン』や『会社が買ってるので何か分からん!』と答えが返ってきます。
(Mジックリンが悪いと批判する訳ではありません。僕の親友はK王さんに勤めてますし、僕は全身をK王・ホワイトで洗ってます。。)
『何が大変なんですか?』と聞くと
『ヌルヌルが取れ無い』
……ハイハイ、でしょうね、このヌルヌルはMジックリンでは…で?
『汚れってどれ?』
『この白いヤツ!!』
……取れないでしょうね、、、このスケールは、だってスケールだもん
んで、時間が足りない・・・
チーンです。。
『洗剤の使い分けした方がいいですねぇ』と言うと、これまた
チーン
です。。
油について
スケールについて
洗い方について
何処に問題があるのか
セーフティグループでは「基本中の基本の事」をご存知ないです。。(滑り止め以前の話ですよね)
よくよく聞くと
メンテナンスをしているその先輩方は
メンテナンス会社の社員ではなく、アルバイト的な存在で…プロではなく…技術や知識を学んだわけでなく…
な状況です。
また、メンテナンスにお金を出す当のホテルや旅館はその事を知らず…
な状況です。
さてさて
『根本から どぎゃんか せんと いかん』
な状況です。