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5種類の磨きの花崗岩が交錯した床を防滑できる!?まるで石の展示場みたい

数年前、いつもお世話になっているゼネコンさんから、50平米程度の防滑施工依頼があった時の話です。花崗岩の磨きと言う情報だけしか入らなかったので、とり合えず現地調査に赴く事にしました。

"花”をイメージした床デザイン

現地に到着してびっくり。新築マンションの風除室からロビーにかけて、磨きの花崗岩でコントラスに模様が描かれています。赤・黒・白・茶系・他2色の鮮やかな色彩で"花”をイメージしたデザインです。

磨きの石をチェックしてみてまたびっくり。茶系の石はエンペラドールと呼ばれる大理石でした。・・・冷や汗が出て来ましたよ。新築の分譲マンションですから基本的に美観重視を要求されますからね。

花崗岩の種類だけでも

  • 赤がインペリアルレッド
  • 黒がジンバブエとインパラブラック
  • 白系がアフリカンライラック
  • 他にカパオダーク

5種類・・・。

それぞれ使用する溶剤は違うのです。そこにエンペラドールが混在しているのですから、熱が出てきて体感温度が上がりっぱなしでしたよ。

この現場の滑り止めのむずかしさに・・・

私をもってしても腰が引ける・・・(゚ー゚;・・・物件です。さぁて、どうするか?本音で悩みましたね。

うーんと唸っている私に、ゼネコンの担当者が「見積もりを急いでほしい」って畳み掛けてくるんです。・・・「やってみるかぁ」・・・覚悟を決めました。この現場の難しさを説明しても、ゼネコンが理解し得る筈もありませんしね。熟練した技術を証明する絶好の機会であると思えば、どおうって事はありません。・・・(u_u。)

段取りがポイント。でもすべて手作業・・・

このような現場において重要なことは、溶剤の準備と段取りです。"段取り”っていうのは、

  1. それぞれに反応性の異なる石故に、養生をどうするか?
  2. どの石から溶剤を塗っていくか?

ってことを意味します。そしてすべては手作業となります。

万全を期すために、反応性の大きい(イオン濃度の低い)溶剤を適正とする石から塗布していきました。数人がしゃがみ込んで移動しながら目当ての石を探しながら1枚1枚塗布していきます。

たかだか50平米・・・されど50平米

パズルみたいに配置されている全ての石に塗り終えた時は全員が酸欠状態でしたね。昼過ぎに塗り終えたので、一旦手を止め昼食を先にとる事にしました。食後に中和と洗浄を一気に済ませ、全作業が終了したのは午後3時頃でした。

通常この程度の施工であれば、2人での作業で事足りますが、今回は手元と管理を含め4人体制での施工となりました。

施主とゼネコンの絶賛をうけ仕事は完了となったものの、作業人員と疲労度は2倍・・・せめて石の種類2つくらいにしてくれんかなぁ・・・とぼやきつつ帰路につきました。

この記事を書いた人

内藤 憲道

内藤 憲道

多種多様の床材や状態に合わせて滑り止め溶剤を調剤し、美観をまったく損なわずに滑り止め効果をつくる防滑のエキスパート。溶剤系滑り止めでは、業界の第一人者。全国で活躍する防滑業者の多くは、内藤の理論がベースになっているとかいないとか。メンテナンス業界では防滑に限らず床材のドクター(研究者)として知られ、大手ゼネコン、タイルメーカーはもちろん、同業者から現場相談を受けるなど、(一部では)圧倒的な信頼を得ている。

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