SUBERANAI BLOG すべらないブログ

タイル業者からのSOS。パチンコ店のセラミックタイルの汚れが落ちない?

ブラックのセラミックタイルに残った保護材痕と養生テープ痕

昨年の出来事です。今回の現場は神奈川県相模原市で、テーマはパチンコ店に敷設されたセラミックタイルの汚れ落としとなります。

前回と違うのはリニューアル工事直後で、オープンを間近に控えた店舗であること。弊社が出動要請を受けた目的の汚れとは、タイル全体に残留しているタイルの保護材痕と養生テープ痕です。

ホワイト系のタイルであれば基本的に目立たないので問題視されないのですが、今回敷設されているのはブラックのタイルで反射により、はっきりと痕が浮かび上がっています。

メンテナンス業者により数回洗浄したが、どうしても除去できなかったとのこと。今回も緊急の出動要請ですので、取りあえず思い当たる材料をぶち込んで、翌日、早朝(4時)から相模原へと向かいました。

セラミックタイルの超微細な隙間に吸収した汚れ

昼前に現地に到着。まあ何とドデカイパチンコ店でしょうか。最近、宝塚市に西日本最大級のパチンコ店が出来まして、夫婦共々お世話になっているパチンコ店と同じくらいの規模です。(ちなみに私ども夫婦のコミュニケーションの場となっております。パチンコ好きですよ。(o^-^o))

現場に入ってさっそく痕跡の状態チェックに取りかかります。何回も洗浄したんでしょうか、確かにタイル表面は綺麗になっていますが、反射痕はハッキリ目につきます。

取り合えず、アルカリ洗剤(PH13)をスポンジシート(600番)で擦ってみましたが、やはり除去できませんでした。粘着性のあるテープ痕、タイルの保護材として使われている蝋痕、その両方共がセラミックタイルの超微細な隙間に吸収されていて通常の洗浄では除去できない事が判明しました。

蝋の主成分はパラフィンだからアルコール成分の溶剤を云々と考えながら持参した材料(薬品を含む)の調合を始めました。

例えると、爪の中の汚れ。こすっても落ちない。

セラミックタイルは製造過程において、材料となる石材を事前焼結し微粉末にし練り上げ、3,000トン近い高圧でプレスし、そして更に1,300度近い高温で焼き上げられるものです。

従ってセラミックタイルの結合粒子は超微粒子となり、吸水性も0.01~0.06程度と非常に小さくなります。そのため、通常汚れは超微細な隙間に入り難いと言われていますが、入るものは入ります。

吸収された汚れは、ミクロレベルの隙間の縦横あらゆる所に滞留します。一定量を超えると目につくようになり、洗っても落ち難い汚れと化します。

ちようど爪の垢と同じようなもんです。爪の上からいくら擦っても垢は落ちませんよね。研磨剤使うとセラミックタイルの光沢そのものがぶっ飛んでしまいます。そこでチョイ頭を捻って考える事に・・・。

どうやって汚れを落としたか?

まず蝋痕にアルコール系溶剤を塗ってシップし様子をみました。結果はパラフィンに多少反応したものの完全に除去できませんでした。

そこで、持参した薬品の中の過酸化水素水と水酸化ナトリウムを4%レベルにし、更に弊社の洗剤を混合し、テープ痕と蝋痕に塗りマスキングして15分程度放置してみました。約15分後ポリッシャーで洗浄すると、セラミックタイルの光沢も変化することなく除去することができました。

同行していたタイル業者の番頭さんが大変喜んでくれて、

セーフティさんキチッと請求してよ。
お宅らの仕事はクリーニングでいったら染み抜きみたいなもんだから。
特殊な仕事なんだから。

有難いことです。ホント・・・。でも本音を言わしてもらうとウチは滑り止め屋なんでございますよ。従来、ほとんどサービスの一環としてやってきてたもんですから、一体いくら頂戴してよいものやら悩んでしまいました。

この記事を書いた人

内藤 憲道

内藤 憲道

多種多様の床材や状態に合わせて滑り止め溶剤を調剤し、美観をまったく損なわずに滑り止め効果をつくる防滑のエキスパート。溶剤系滑り止めでは、業界の第一人者。全国で活躍する防滑業者の多くは、内藤の理論がベースになっているとかいないとか。メンテナンス業界では防滑に限らず床材のドクター(研究者)として知られ、大手ゼネコン、タイルメーカーはもちろん、同業者から現場相談を受けるなど、(一部では)圧倒的な信頼を得ている。

  1. 前田さん より:

    遅れましたが、新年明けましておめでとうございます。
    素晴らしいお仕事されていますね。
    %レベルなど、現場に応じてされているようですが、床材を見るだけで判断できるものなのですか?

    • 内藤 憲道 内藤 憲道 より:

      前田様
      おめでとう御座います。今年もよろしくお願いします。ご質問の件ですが、実は過去の経験に基ずいて処理したものです。セラミックタイルについては11年前からセラミカクレオパトラ社とのお付き合いの中で色々と勉強させていただく機会が多くありました。ちなみにセラミカクレオパトラ社がセラミックタイルにおけるパイオニアであり、後に、アドヴァン、ABC商会と続き、今日ではご存知の通り中国でバンバン製造してますよね。元々はエジプトタイルと銘打ってセラミカ社が販売していたんですが、最近では中国タイルと言えばセラミックタイルをイメージするほど勢いがありますし、品質もかなり良くなってきています。おそらく材料である石材の事前焼結をはじめとする技術のレベルが上がってきたんでしょうね。

      • 前田さん より:

        内藤様、早速のお答えをありがとうございます。
        クレオパトラ社様がパイオニアといいますのはこの業界では
        浸透してます!
        ただ大手スーパーなどのセラミックタイルはまず、中国からのものは
        間違いないくらいの勢いは私も感じております。
        この回答からしますと、どこ産が分かれば、液剤のレベルの判断が
        できるということなのですね。
        す、素晴らしい!
        また、ご質問させてください。

        • 内藤 憲道 内藤 憲道 より:

          前田様
          有難う御座います。先日の返事に少しだけ付け加えますと、大手の販売メーカーで最近中国製品をバンバン売りまくっているのが、イナックス、クリヤマですね。中国のメーカーは、確かアイコット・リョウワだったと思います。10年近く携わってきた私の勝手な判断ですが、クレオパトラをAランクとすれば、アドヴァンがB、ただしアドヴァンの最近のギヤマンテはAに近いレベルになっていますよ。その他のセラミックタイルは、ハッキリ言ってCランクレベルですね。1つの例をあげると、タイルに写る蛍光灯がCランクのタイルの場合波打って見えたりします。それは大量生産の為、ローラー磨きにシフトしている影響ではないかと私は考えています。実はそれにより、微妙に汚れの付き方も違っているように思えてなりません。これも私の勝手な考え方ですが・・・・。施工溶剤は、基本的に各メーカー毎に変化をさせて製造していますが、オールマイティの溶剤も必要かと思い、1種類だけ造ってみました。正直言って、各メーカー毎に多少グリップ力の違いはありますが、光沢を維持し、滑りを抑制する効果はあります。昨年春頃から販売していますが、あんまり売れていません。ハハハ。

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