SUBERANAI BLOG すべらないブログ

不覚!!現場で滑って転倒してしまった・・・

某鉄道施設の滑り止め施工を研修中のS社(九州所属)が射止めてきました。随分と頑張っていた事は承知しておりましたが・・・足掛け3年って言っておりましたが大したものです。

とは言え、S社にとって今回が初の現場でありまして・・・現場の実践研修を兼ねて、私を含め本部の精鋭部隊5名で応援してやろうってな事に相成り、九州の現場まで出向いて来ました。

施工範囲はタクシー乗り場を含む駅への通路部分と駅構内の一部。駅構内のタイルには滑り止め対策としてアクリルシリコーンが施されていますが、駅側から滑るので全面剥離してほしい旨依頼を受けています。終電がAM0時30分、始発が4時50分。剥離を入れると600平米弱となりますが、S社から3名参加してくれましたので総勢8名で対応できるます。始発までには何とか終了できるでしょう。

PM7時頃現地に到着。S社の計らいで当地でも有名な江山楼で夕食をご馳になり、燃料貯蔵庫?も満タンと相成りまして〃さぁいつでもかかってきなさい〃・・・テンションのバロメーターも上がりっ放しです。12時を回った頃、元請さんから養生作業の開始指示をいただき作業スタートです。

終電となり本格的な作業に突入します。まず本部の熟練者2名に駅構内のアクリルシリコーンに、剥離剤の塗布する箇所を指示。剥離剤塗布後にマスキングを施し、2名は通路側の施工に戻ってきました。通路側の施工は済々と進捗し2時半頃に終了。取り急ぎ全員で作業用具を駅構内に移動させるよう指示。

全ての移動作業を終え、作業者に10分の休憩を告げて私は施工終了した通路側のチェックに入りました。〃よし、旨く仕上がってる〃・・・この時、駅構内で思いもせぬ出来事が発生している事も知らず私は仲間を追い駅構内へと向かいました。

駅構内に到着すると・・何とS社の3名がマスキングを外しケレン掛けをしているではありませんか。彼等にしてみれば本来自分達の現場ですから本部の連中が済々と作業している姿を目にして、自分達も〃何とかせんといかん〃と思ったのでしょうね。黙々と作業を進めています。〃ちょっと一服したら?〃私は彼等に一声かけ、休憩後に剥離作業する箇所をチェックしに向かいました。・・・2歩3歩と歩いた次の瞬間、私の体が宙を舞ったのです。・・・

私の体は見事に宙に舞い、瞬間横向きに体を捻ったもののそのままドスンと床に叩きつけられました。・・・痛・・・『誰やッこんな所に剥離剤塗ったんは』・・・思わず叫んでしまいました。その1で記していますが、アクリルシリコーンの剥離剤を塗布する箇所は私が本隊の連中に指示しています。私が滑った箇所は剥離剤の必要性がない箇所なんです。従って塗布指示を出してません。そして・・・よりによって私が転倒したもんですから全員・・・固まっていましたよ。

今回使用した剥離剤は強い塩素系で粘性があります。叫んだ瞬間手の甲に火傷したような強い刺激痛が走りました。剥離剤が手の甲にベッタリ付いていたんですよ。・・・カミナリを落とす前に・・水・水・水・・一番近いトイレに駆け込み洗い流す事5分、どうにか痛みも治まり、作業着を着替え・・・約10分間作業の手が止まってしまいました。

現場に戻ると〃嵐の前の静けさ〃を予測しているのかシーンと静まり返っています。・・・『ハハーン・・怒られると思って緊張してるな。』・・・覚悟している者を怒る事はしませんが同じ失敗を繰り返させない為にも皆を前にして一言だけ強い語調で叱咤しました。・・・『現場は常に安全な環境下である事は必然の事。これは現場事故である。滑って当然の現場を作っておきながら何故皆に声かけしなかったのか。誰が塗ったか知らんが指示された以外の事をやるなら事前に報告するのが当たり前だろ。この馬鹿タレが。・・・以上作業開始』やれやれ・・これも身をもって教えるって事の一つなんだと怒りを抑え作業に戻りました。

始発前に作業は無事終了。

16年間滑り止め一筋の甲斐あって最近多業種の業者さんから弊社のME工法をやりたいとの申し出が増えてきました。大変有り難い事なんですが弊社は現在代理店(弟子受け入れ)導入を止めています。理由は私が年老いてきたからです。喋るにしても現場指導するにしても体力の消耗が激しく、あれもこれももっと教えておかんといかん・・・と言う気持ちに体力がついていかなくなってきたのです。・・・誰しにもいつかは訪れるものです。

後継育成の為に株式会社スリップアウトを昨年立ち上げオーナーに高森君、社長に荒川君を配しスタートさせました。・・・加盟金その他諸条件無しで誰でもME工法に参画できるようにしたかったのと、技術育成の為に発生する私の義務的な拘束時間を出来るだけ少なくする事が新会社立ち上げのテーマでもあるのです。今回の長崎の現場も㈱スリップアウトの主力メンバーが研修中のS社の為に出向いたのです。S社は代理店ではなくME工法を志した前述の一社なのです。

今後もS社のような新規の業者さんが続々とME工法に参画される事になれば、業者さんが獲得してきた現場が唯一の技術指導の場となります。その指導の任を託す為にこの10年間全国に代理店(弟子)を育成してきたのです。今回の長崎はS社の強い希望もあって止む得ず本部の連中が出向いたのですが本来は福岡の指導員がその任にあたります。質問、問い合わせ等は本部が主に担当する事になります。

私が転倒した一件に触れます。トラップ(罠・仕掛け)があれば私(内藤猿)でさえも転倒してしまうのです。事前にS社に対し十分な指導が出来ていればこの一件は発生しなかったと思います。しかしながら全国各地に研修指導に出向く事は困難を極めるし、(社)全住防アカデミーでの研修にも難色を示される業者さんが多い中、大きな課題を提した一件であったと思っています。

誰でも気軽に参加できる業界にしたいと思う反面、各床材に適した溶剤を提供したとしても現場経験のない異業種の皆さんに対し教育指導をどうしていくか・・・今後100年にも及ぶ我国の高齢者社会に足元の安全を継続提唱していく人材をどう育成するべきなのか・・・今後の滑り止め業界発展の為の踏み台に徹した内藤猿は長崎で木から落ちて悩んでいます。

この記事を書いた人

内藤 憲道

内藤 憲道

多種多様の床材や状態に合わせて滑り止め溶剤を調剤し、美観をまったく損なわずに滑り止め効果をつくる防滑のエキスパート。溶剤系滑り止めでは、業界の第一人者。全国で活躍する防滑業者の多くは、内藤の理論がベースになっているとかいないとか。メンテナンス業界では防滑に限らず床材のドクター(研究者)として知られ、大手ゼネコン、タイルメーカーはもちろん、同業者から現場相談を受けるなど、(一部では)圧倒的な信頼を得ている。

  1. 自称:愛弟子 より:

    統括が若手を育てたいとの思いを常に感じ、いつも叱られてばかりの
    愛弟子です(笑い)

    「ME工法」は去ることながら統括の人間味あふれる人柄に興味ありの
    若者があとを立たないのは事実です(笑い)

    統括が老いぼれる前に、この愛弟子を十分に育てあげないといけません!
    また研修に行きまーす(^^)/

  2. より:

    福岡及び九州頑張ります

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