SUBERANAI BLOG すべらないブログ

溶剤が反応しない??

        ゼネコンもだまされた??

 1997年12月に某ゼネコンさんからの依頼で熊本市へ出向いた時の話です。1~2階が商業施設で3階から上が分譲マンションとなっており、1番館から7番館まで建ち並んだ大きな現場でした。

 この日は、滑り止めのお試し施工の意味もあり、1番館の1階部分120平米の施工でした。床は磨きのインペリアルレッド(赤御影石)です。・・・この頃は過去の失敗を糧に溶剤も、各種専用溶剤として開発を済ませていたので自信満々だったんですが・・・ね。

 専用溶剤の塗布を終了し、確認作業に入ったんですが・・・レレレ全く効果がありません。石って言うのは同じ顔をしていても産地が変われば吸水性やら硬度が変わったりする事も多々あります。それならばってんで、少しずつ反応性の高い溶剤を塗布してみたんですがウンともスンとも反応しません。・ナンタルチア・サンタルチア・・(゚ー゚;慌てましたよ。溶剤の何を塗っても反応しないんですからね。

 わざわざ熊本まで出てきて失敗?・・・本当に当時の私はな~んにも知らなかったんです。まさか石の表面にシリコーンが塗られていたなんて・・・。見た目は全く磨きの御影石と変わらないのですから。

 一旦大阪に戻り・・(u_u。)・・親しい石材業者の社長に恥を承知で問い合わせしました。・・・すると『内藤さんやられたね。』と笑いながら彼が言うんです。『そりゃぁきっとシリコーンを塗ってまっせ』・・・シリコーン??・・・まだ石の事に詳しくない私に彼は話を続けます。『石を磨くのにダイヤモンドパットっていうのを使うんだけど、そのパットが高い(高価)のよ。しかも荒削りから仕上げまで其々に番手があってね。沢山使うし、時間も掛かるし、消耗も激しいのよ。だから最後の仕上げ(6000番以上)を止めてシリコーンを塗って誤魔化したんだと思うよ。最近ゼネコンが、直接中国に石の買い付けに行ってるけど彼等には目利きが少ないのでよくやられてるよ。』

 なるほどそう言う事か。有機物質が邪魔したんかぁ・・・

 原因が解り、ホットする間もなくゼネコンさんに連絡をとり、翌日熊本へ飛んで再施工の段取りをしました。・・・慌てたのはゼネコンさんも同じです。『エエー嘘やろー・・・』現場に驚いた所長の声が響きました。1番館から7番館に至るまで全て同じ石を使っているんですから無理もありません。・・・剥離剤で剥離した後のインペリアルレッドの表面は、ボヤケてしまい敷設時の輝きはありません。・・・取り合えず所長の計らいで一番館の滑り止め施工は完工に至りましたが、2番館から先はペンティングとなってしまいました。

 この時に得た教訓は、サンプルも現場で使用している石を貰う事。近隣であれば必ず現場に出向きデモ施工を行う事の2点です。今は当然のように皆が言うでしょうが、当時は誰も知らなかったんですよ。特に石に関してはね。その後、熊本の商業施設がどう言う流れになって行ったのか・・・ワカリマセン。

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この記事を書いた人

内藤 憲道

内藤 憲道

多種多様の床材や状態に合わせて滑り止め溶剤を調剤し、美観をまったく損なわずに滑り止め効果をつくる防滑のエキスパート。溶剤系滑り止めでは、業界の第一人者。全国で活躍する防滑業者の多くは、内藤の理論がベースになっているとかいないとか。メンテナンス業界では防滑に限らず床材のドクター(研究者)として知られ、大手ゼネコン、タイルメーカーはもちろん、同業者から現場相談を受けるなど、(一部では)圧倒的な信頼を得ている。

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