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床濡れでの転倒は、有力な情報が効果的な対策へとつながる

これから梅雨の時期にはいってまいります。濡れた床は非常に危険です。十分注意する上、事前の対策をお願いします。

この時期問い合わせが非常に多い時期でもある一方、判断しにくい問い合わせも少なくはありません。

最も多いのは・・・

つまづきか転倒か不明な点です。

同じように思っている方も少なくないでしょう。しかし、全く違います。簡単に説明すると、

  • つまづきは段差もしくは障害物等でひっかかり前へ倒れること
  • 転倒は滑って後方へ転ぶこと。

まずお問い合わせ頂いた時点で、事前の対策であるのか事後の対策であるのかが問題であり、事後の対策であればどのようにして事故が起こったのか等、情報を得なければこちらも診断または対策しようにもできません。

転倒であるのか、つまづきであるのか。現場検証する際に、必ず準備してほしい情報ですね。つまづきと転倒では、対応・対策の仕方が全く違います。実際つまづいた現場で、転倒の対策をしても効果的な対策にはなりませんし、その他の問題が生じる可能性が高いと言えます。その逆もありますね。

まずは的確な情報が大事

お問い合わせして頂くほとんどが、被害者ではなく建物側・管理会社等です。実際の証言と異なる情報に包まれ、あっちこっちに問い合わせまた声をかけ、問い合わせる側も情報がごちゃごちゃになっているに違いありません。いわば伝言ゲームのようになり、結果全く違う事実と情報だけが伝わってくるのです。

特に事後の対策に関しては、はっきり言って的を得た対策は難しいと言えるでしょう。時間も情報もないとなれば、その現場にとって的確で効果的な安全対策をするには必要以上の時間(無駄)がかかり、結局応急的な対策もしくは不的確な対策を実施し結果また事故が繰り返されるといったかたちになります。

じゃあプロがそのような情報を探り出し、対策すればいいんじゃないの?と思うかもしれませんが、事故が起こると『情報を隠す』といったことが起こります。

事実の情報を隠されたのでは、こちらも踏み入ることは難しくなってきますし、わたしどもは捜査班ではありませんので様々な壁に阻まれ、提案したくても提案できません。

それどころか、なんとか事故を収める、もしくは隠ぺいのような手段はないかと言われることもありますが、そのようなものは一切ありません。その現場にとって、的確で効果的な安全対策をするには、事前の対策が必須となるのです。

弊社がかかわらせて頂き、今現在も維持している安全な現場のほとんどが事前に対策された現場です。品質管理業務がきちんと行われている現場が、安全を継続していると言えるでしょう。

PDCAサイクル

事業活動における生産管理や品質管理などの管理業務を円滑に進め、Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)の4段階を繰り返すことによって、業務を継続的に改善する。

PDCAサイクルを活用して、危険となるものを特定しリスクアセスメントを行うことで、リスク低減を継続的に実施することが本当の事前の対策ではないかと思います。皆様はこのような事前の対策はお済でしょうか?

濡れた床での、転倒事故年々増加している上、深刻化しています。

もう一度、いま一度、向き合って下さい。

この記事を書いた人

内藤 憲道

内藤 憲道

多種多様の床材や状態に合わせて滑り止め溶剤を調剤し、美観をまったく損なわずに滑り止め効果をつくる防滑のエキスパート。溶剤系滑り止めでは、業界の第一人者。全国で活躍する防滑業者の多くは、内藤の理論がベースになっているとかいないとか。メンテナンス業界では防滑に限らず床材のドクター(研究者)として知られ、大手ゼネコン、タイルメーカーはもちろん、同業者から現場相談を受けるなど、(一部では)圧倒的な信頼を得ている。

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