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石灰系床材の防滑施工は何故難しいのか??

前回のブログシリカ系と石灰系の違い(滑り止め施工)についてを見て、石灰系についても記してくれないかと言うコメントがありましたので、少しだけ書きます。

石灰系床材の防滑施工は何故難しいのか??

石灰系の中でも磨きの床材の防滑は、ほとんどの業者さんが避けられているはずです。ある意味賢明な判断であると思います。避ける最も大きな理由は"光沢の消滅”いわゆるロケーションの大幅な変化が挙げられます。・・・石灰系は如何なる酸にも反応すると言う、施工者には致命的な特徴を持つからです。

とは言え15年前の私も皆さんと同じレベルにありまして、失敗を繰り返したものです。どうしても上手くいかづ悔しくって仕方なかったですよ。とは言え当時は花崗岩の色艶を95%以上維持して、いかに滑りを抑制するかと言うテーマに没頭していたので、石灰系まで思考する余裕が全くありませんでした。

インペリアルレッドを筆頭にした赤系御影を皮切りに、究極的な山西黒の専用溶剤に至るまで開発し終え、ようやく石灰系を目指そうとしていたら“やっかいな床材”が持ち込まれてきたのです。磨きのセラミックタイルを初めて手にしたのが丁度この頃です。

あれよあれよと言う間にコイツが主流になってしまい、懸案であった石灰系溶剤に本格着手したのは平成も20年を越えていました。

結論から申し上げると何とか出来ました。
が、作り置きができないのです。正直なところを申し上げれば、こんなリスクの大きなモノやりたくありませんナ。・・・現場に基本材料を持ち込んで、現場で適正に反応調整しながら施工溶剤を作らないと上手くいかんのです。

こんな回答では私らしくないので、重要なヒントを述べます。

滑りの安全レベルを1~5で表現しますと、施工業者である皆さんは通常レベル5を適正とされる筈です。磁器タイル・石材等において仕上がりは別にしてもレベル5を追求する事は間違ってはいません。石灰系の磨きの場合は・・・レベル1を追求してください。

石灰系はレベル1で十分安全

経験上申し上げますが、石灰系はレベル1で十分安全になります2年目には勝手にレベル2に、3年目は当然3に・・・なりますよ。ただし、あくまでも計測値を最重点に思考される、いわゆる滑りと言うものをあまりご理解されてない優等生の皆さんには、受け入れてもらえないかもしれませんが・・・。

この記事を書いた人

内藤 憲道

内藤 憲道

多種多様の床材や状態に合わせて滑り止め溶剤を調剤し、美観をまったく損なわずに滑り止め効果をつくる防滑のエキスパート。溶剤系滑り止めでは、業界の第一人者。全国で活躍する防滑業者の多くは、内藤の理論がベースになっているとかいないとか。メンテナンス業界では防滑に限らず床材のドクター(研究者)として知られ、大手ゼネコン、タイルメーカーはもちろん、同業者から現場相談を受けるなど、(一部では)圧倒的な信頼を得ている。

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