本磨きの黒御影石は写る???
本当に写るんです。だからボカして・・・
この手の話は過去に数回依頼を受けた経緯があります。黒御影石は、種類によって反射は異なりますが、今回のテーマの黒御影石は中国産で通称チャイナブラックと言われるもの。私の知る限りでは、黒い花崗岩の中で最も雲母成分が多いものです。
現状を確認するため、現地へ出向きました。
某オフィスビルの1階全てにチャイナブラックが敷設されていました。壁には柔らかい薄茶色の大理石(トラバーチン)が使われていて、メリハリの利いたインパクトが素晴らしい建物です。個人的には好きなコンセプトなので、このままでもいいんじゃないかと思いつつ、管理責任者の話を聞くことにしました。
まだ築後2年のビルなんですが、今まで数回苦情を受けていましてね。
実は、オープン後に他の業者に頼んでテスト施工してもらったんですが、真っ白けになったんでストップしてた経緯があるんです。
・・・成る程ね。・・・
チャイナブラックの滑り止めは、花崗岩の中でもっとも難しい
滑り止めにおいても、チャイナブラックは花崗岩の中で最も難しいのです。タイル系に適した溶剤を塗布すると、たちまち真っ白に変化します。溶剤を薄めて使っても結果は同じです。他の業者がテスト施工に使用したのは恐らくタイル系滑り止め溶剤だったのでしょう。
過去に何回となく頭を抱えたチャイナブラック故に、既に克服しており、溶剤はいつでも製造できますが、私にはまだ疑問がありました。
ホンマにパンツ見えるの?(医者用語的表現)
そこで数箇所チェックして見る事にしました。すると・・・ありましたよ。確かに写る所があります。
スポットライトが反射する横あたりです。原因が判明したのでいよいよ"ボカシ”の作業に取り掛かるんですが、どこまで建物のコンセプトをキープ出来るか、腕の見せ所となります。・・・が、ハッキリ言って自信ありません。
日を改め管理責任者立会いのもと、テスト施工日を迎えました。
"もうチョイ・もうチョイ”管理責任者の鋭い指示のもと、苦労しましたが何とか旨く出来ました。これで溶剤の配合を理解し、数日後には、施工も無事終了と相成りました。
セクシャルハラスメントが騒がれる今日、安全・安心をテーマに邁進してきた私です。この様な仕事を頂いて、得したような、そうでないような複雑な思いがあります。