SUBERANAI BLOG すべらないブログ

えらいことになった大変だ~・・(# ゚Д゚)・・(;'∀')

       警察が来た・・・市役所職員も来た・・はあ・・何があったの??

先月の話です。・・・メンテナンス会社を営む新米弟子のK君が某温泉ホテルの運営するプールサイド350平米の防滑施工を実施しました。・・・防滑施工当日午後5時頃K君から一報が入りました。・・・¨先生大変な事になりました。・・・警察がきました。¨・・・警察??・・。私の世界で警察に関与するものは一切ありませんし、何故にお越し頂く事になったのか尋ねました。・・・川に泡が発生し少し滞留しているのを見て近隣の人が警察に通報したらしいとの事。・・・それでもって警察官が来た訳です・・が、警察では対応出来ないって事で市の河川環境の職員に連絡。警察と入れ替えに市の職員が駆け付けたと言う事が判明しました。・・・川に泡を発生させるって事は過去25年間1回もありません。・・・不思議な思いも重なりGoogleビューでホテル周辺を検索する事にしました。・・・えっ・・・川無いじゃん。・・周辺に河川らしきものが見当たらないのです。・・・ましてやこのホテル建物は50m以上の崖っぷちの上に位置しています。・・・川が無い??・・・

施工に至るまでには当然ながら手順があります。・・・現調・デモ施工・施工内容説明・そして見積り・・・全てが順調に解決した後に施工実施となります。・・・この段階で最も重要なのが現調時の情報の把握です。・・・従来の現場サイドのメンテナンスの実態を知る事・排水路と循環水路のチェック・勾配のチェック・浄化槽の有無など事前に聞き込み、そして十分に把握する作業が現調なのです。・・・現調のついでにデモ施工をやらせてもらう事になりますがこの場合の選択肢としては敢えて最も危険を感じる箇所を選びます。・・・これらの手順は指導する際には口やかましく言っているので・・・まさか・・・こんな事態が発生するとは・・・( ;∀;)

K君にとって350平米ものプールサイド防滑施工は初めての事です。・・弊社の施工現場で実施研修は終えているものの師匠としては上手くやれるかどうか心配で¨誰か指導にいかそうか?¨と打診してみました。・・すると余裕をもって2日間の日程で作業するので遠方から来てもらは無くても大丈夫です。と言ってくれました。まあ彼はしっかりしているし上手くやれるだろうと思ってましたしね。

施工日当日。・・・気になるのでお昼休憩タイムを狙って現場の進捗状況を知る為に一報入れてみました。・・・すると予想外の報告に耳を疑いました。・・・全然滑りが止まらないと言うんです。・・・デモ施工時にはキッチリ止まったって事で施工契約に至った訳ですから同じ溶剤を使って滑りが止まらない筈がないのですがね。・・2日の日程をとっていたのは幸いでした。・・翌日弊社の工事課長を派遣する事にして当日は通常やるべき事をやって終了するよう指示。・・・失敗は許されない。・・

弊社のT課長を派遣するにあたり、手土産?に何を準備すべきか検討に入りました。・・・先ずは謎解きからです。・・デモ施工時の効果の有無はもう関係ありません。・・謎解きのヒントは現場がら送られてきたタイルの拡大写真にありました。・・・①過去に骨材付きコーティング形跡がある事。・・・②K君の現場レポートによると溶剤塗布後も全てのタイル面がヌルヌルつるつるの状態である事。・・・本当はもっと詳しい情報がほしいのですが時間も無いので・・・最終的に内藤の判断を示しました。・・・先ずは滑りを止めよう。・・・コーティングの残留物は中和洗浄とアルカリ洗浄の際に長年蓄積しているであろう酸化した体脂肪と共に除去すれば良い。・・・その為に必要な新たな材料2㎏と強化SP24㎏・アルカリ洗浄剤20㎏・重炭酸ナトリウム5㎏以上4種類の溶剤・洗剤等を手土産に準備し、T課長に現場を託す事にしました。

明けて2日目。早朝から出かけ現場についたT君から一報入りました。・・・想定通りコーティングは残留していたが持参した新溶剤で問題なくクリアーし、滑りは止まったが・・・今までに経験のないレベルの体脂肪が飛び出してきて収まりが付かないとの事。・・・これまでのメンテナンス状況の情報を私は改めてK君に尋ねました。・・・K君の話。・・・某温泉ホテルチェーンがこのホテルを買収して以来、プールサイドは水で洗い流していただけとの事。・・・つまりは、今までまともなメンテナンスが一切出来ていなかった??・・・新米レベルとは言え現地調査の重要性は重々伝えた筈。・・防滑溶剤を塗布するとタイルの内層部から体脂肪が出てくる事も訓練実施の際伝えたし、実際にタイル内部から飛び出た油脂汚れも目視確認させた筈。・・・どう処理するかも教えた筈。・・・もう頭痛くなってきましたワ。・・・

取り合えず滑りを止める事は出来ました。・・・後は手つかず野放し状態であった床面とタイル内部からおびただしく飛び出してきた体脂肪をただひたすら洗浄するのみ。・・・PH6レベルまで酸化し飛び出してくる体脂肪の固まりをPH11.7レベルのアルカリ洗浄で中和分解していきます。・・・この作業までこぎ付けたらT君の役割は終了って事で彼は大阪に戻る事に。・・・

T君が現場を後にして2時間後、K君から私に連絡が入りました。・・・先生大変な事になりました。・・・警察が来ました。・・・

警察が来た理由??・・・実は川に泡が発生していると通報があったらしいのです。・・・田舎では何かあったら直ぐに110番なんですね。・・・当然警察は即行動。・・・現地へ着いたら川は無い。泡は無い。・・・通報者に警察は説明を求める。・・・通報者の話。・・・¨崖下に湧き水からなる小さな水路が流れている。その水路の水を自宅に引き入れ鯉を飼っている。以前に理由は不明だが鯉が死んだことがある。水路に泡が流れているのを見て鯉に何かあったら大変だと思い警察に通報した¨・・・との事。・・・通報者の言う川ってこの水路を指していたらしい。・・・そこへ警察から対応を依頼された市の職員が到着。・・・現場を見て市の職員も困惑する。・・用水路ならまだしも崖下に僅かに出来た湧き水からなる水路。・・・市の職員曰く、・・・上で洗った洗剤の一部が排水路から溢れ漏れて崖下に流れたんでしょうね。・・・

ー結論ー

出動した以上市役所には事の顛末を明確に報告しなければなりません。・・・K君にこの仕事を出してくれた元請のA管理会社名で誰もが納得する顛末書を作成する必要があります。・・・MSDSの提出を求められたとK君から一報あり。・・・警察まで呼ばれたのにMSDSだけで誰もが納得するか??・・・仕方ないので元請会社A社の担当者に連絡を取る事にしました。・・・役所にMSDSの提出を求められたが、何か尋ねられたら話せますか?・・・不勉強でさほど知識もないくせにプライドだけはいっちょ前なのはどこの管理会社も同じか・・・話せるか?ってどう言う意味かと怒り因りましたワ。(笑)・・・直ぐ大人しくなりよったけど・・・。

年取ると素直に教えてやるのが面ろうなくなったんやろね。・・・水質汚濁防止法に準じて全てを化学的に数字で明確に解説。材料の成分内容・PH値・使用量・反応に関する解説。反応時毎のPH値・洗浄時の使用水量・排水時のPH値等パソコンに打ち込んで速攻で送ってあげましたよ。少しは勉強になれば良いんですがね・・・K君に管理会社に送ったと報告してやったらK君が又イラッとする一言を・・・先生、鯉大丈夫でしょうかね。・・・もうそんな事知るかーーーー

続く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この記事を書いた人

内藤 憲道

内藤 憲道

多種多様の床材や状態に合わせて滑り止め溶剤を調剤し、美観をまったく損なわずに滑り止め効果をつくる防滑のエキスパート。溶剤系滑り止めでは、業界の第一人者。全国で活躍する防滑業者の多くは、内藤の理論がベースになっているとかいないとか。メンテナンス業界では防滑に限らず床材のドクター(研究者)として知られ、大手ゼネコン、タイルメーカーはもちろん、同業者から現場相談を受けるなど、(一部では)圧倒的な信頼を得ている。

  1. 松葉伸一 より:

    現場調査って大事ですよね。
    施工だけでなく、周りの環境や状況も含めての現場調査ですよね。
    改めて、自分も初心に帰り勉強しなおさないといけないと思いました。
    ついつい、滑りを止める事に意識が行き過ぎて、排水の最終処理などを確認するのを忘れて後日確認する事があったので・・・
    確認マニュアルを作成してからは、皆同じように聞き取り調査などが出来る様になりました。

  2. 内藤 憲道 内藤 憲道 より:

    松葉ジュニアへ
    今度SLIPOUTの事務所へきたら市役所を納得させる為にA管理会社に速攻で作ってあげた文章を戸田君が持っているよ。・・・

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