SUBERANAI BLOG すべらないブログ

マイクロメーターからナノメーターへのスタッドレス化へ・・・

        溶剤技術と床材の特性とメカニズムそしてその引用

              その1  【 磁器タイル編 】

主に屋外に用いられるクリンカータイル・・屋内外に用いられるテラコッタ風タイル・・釉薬やクリンカー混合、焼成温度調整等により今日様々な製品が作り出されています。・・・

基本的には室内外の仕様目的により適正にその特徴を活かした箇所にエントリーされ敷設となります。・・・防滑において最も重要な事は、敷設されたタイルの仕様目的に対し、違和感のない安全と安心を提供する事と、継続的なサポートの実施が基本であると考えます。

磁器タイルに滑り止め(防滑)を目的として構成する隙間は3~10マイクロメーターが基本となります。・・10マイクロ以上の隙間を作ってしまうとタイル面全体が白っぽくなり汚れを滞留させる大きな要因となります。シリカ成分の溶かし過ぎですね。・・・未だに、ウチのはヨソより良く効きますとかよく耳にしますが・・・要は、適正に安全が確保されれば良いのであって・・もっと効くはもっと汚れるを意味するだけなのです。ちなみにクリンカータイルの隙間形成は8~10マイクロメーターが適正であろうと考えます。水を通しにくいクリンカーの特性を踏まえ弊社商品であれば01かSPを使用します。

テラコッタ風タイルは本来素焼きのタイルをイメージしたもので茶系が主流で室内及びエントランス部に敷設される事が多い様です。最近は施釉により様々な色合いのタイルも出ていますね。・・・敷設されたタイルは床材ですから人を始め多様なものが踏み付けて行く関係上汚れていくのは当然の事です。・・・内藤の主観ですが、テラコッタタイルの面白いところは、汚れを楽しむところにある?と思います。・・茶系のテラコッタタイルがキャンパスとなり、汚れが醸し出す模様にヨーロッパの風情を感じてしまうのです。もちろん安全をキープしての話ですがね。・・・その為、防滑に使用するのは適正に3~5マイクロメーターの隙間を構成する溶剤が必要となります。弊社商品であればNO・05か03でしょうかね。

その他の磁器タイルについては施釉の状態、其々の吸水性等を勘案し溶剤を選択します。

水回り(浴場・プールサイド等)に敷設されている磁器タイルの防滑においては10マイクロの隙間は必然です。・・・前論を覆すようですが、場合によっては10マイクロ以上の隙間が必要になる事もあります。・・・理由はタイル内に吸収され凝固した塩素系残留物や体脂肪の残留量との関係です。弊社商品であればNO・01かSPプラス205を使用します。・・・更に厄介なのが温泉浴場の防滑でしょうかね。

日本人皆大好き温泉浴場ですが・・・湧き出す鉱泉成分の構成によっては防滑溶剤が機能しない場合もあります。・・・例を幾つか上げると・・・例①遊離成分(非乖離成分)・・・メタケイ酸・メタホウ酸・メタ亜ヒ酸の合計又はどれか1つの成分含有量が温泉分析分量に対し、25%を超えるとやばくなってきます。・・・例②陰イオン(-イオン)・・・特に厄介なのが硫酸イオンと硝酸イオン等が温泉分析量に対し、20%を超えているケースです。・・最近弊社が施工した例としては草津温泉でPH2の酸性温泉があります。もう一言付け加えればこの温泉の非乖離成分量は35%で硫酸イオンが30%でした。・・・私をもってしても溶剤製作から施工のノウハウを確立するまで1か月要しまたね。・・・大きく隙間を作ってやりたかったのですが、イメージ的には10マイクロ程度までしか対応出来なかったと思っています。・・・メンテナンスマニュアルについても酸性温泉場ならではのやり方をメインとし、復活溶剤もこの浴場専用の溶剤を準備し提供しました。

磁器タイルの防滑と言うのは特殊なタイルや特殊な現場を除けば比較的に簡単なものです。・・・が、溶剤とタイルの相性を無視すればトラブルを招く結果となります。・・・隙間形成のウンチクをネジとネジ穴を例えてにして書いてみます。・・・5ミリのネジに5ミリのネジ穴・・・適正ですね。・・5ミリのネジは2ミリのネジ穴に入りませんね。無理してねじ込むとネジ穴が壊れてしまうかネジが折れたりします。・・・2ミリのネジに5ミリのネジ穴って事になるとスカスカで何の役にも立ちません。・・・要は2ミリの隙間で良いのに、それ以上に大きく広げると美観を損ね、必要以上に汚れを招く事になり、・・5ミリの隙間がほしいのに2ミリしか隙間形成が出来ないと防滑効果が低減したり、床内部に滞留している汚れが思うように掻き出せなかったりと其々に支障が出るって事です。

下記の予定で次回へ続く・・・

その2   【 石材編 】

その3   【 セラミックタイル編 】

 

 

 

 

 

 

 

 

この記事を書いた人

内藤 憲道

内藤 憲道

多種多様の床材や状態に合わせて滑り止め溶剤を調剤し、美観をまったく損なわずに滑り止め効果をつくる防滑のエキスパート。溶剤系滑り止めでは、業界の第一人者。全国で活躍する防滑業者の多くは、内藤の理論がベースになっているとかいないとか。メンテナンス業界では防滑に限らず床材のドクター(研究者)として知られ、大手ゼネコン、タイルメーカーはもちろん、同業者から現場相談を受けるなど、(一部では)圧倒的な信頼を得ている。

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